人違い
「帰ってきたウルトラマン」が可哀想だ.
以前地球にやってきたウルトラマンとは別人であり,初めて地球に来たにもかかわらず「帰ってきた」扱いだ.
「別人なのに……」と複雑な気持ちを抱えて戦うウルトラマン.怪獣を叩く手にも力が入り過ぎてしまうだろう.怪獣からも必要以上に血とか出てしまうことだろう.
とはいえ,人間は知らず知らずの内に人を「帰ってきた」扱いしてしまうこともあるだろう.
妻に別な男と一緒に逃げられたしまった北村ハジメ(37歳).そんなハジメが息子のケンジ君(7歳)に恥ずかしそうに話す.
「ケンジ,お母さんがいなくなって3年経つけど,寂しくないか」
「寂しくないよ.でもお母さんがいてくれた方がいいかなあ」
「実は,新しいお母さんに来てもらおうと思っているんだけど,……」
「ええっ,本当.僕にお母さんが」
「ケンジ,喜んでくれるのか」
「うん,お母さんが帰ってくるんだね」
「いや,帰ってくるわけじゃないけど,……」
「やったあ,『帰ってきたお母さん』だね」
帰ってきたわけではないけど,「帰ってきたお母さん」.ケンジ君の前にcoming soon.
「くだらないけど物は試しだ」と思って入った秋葉原のメイドカフェ.従業員のメイドが御挨拶.
「お帰りなさいませ御主人様」
その挨拶に涙を流す.「お帰りなさいませ御主人様」ここに現る.
すれ違った男に見覚えのある顔.
「あれっ,ひょっとして,タカシじゃないか」
高校生のときの友人に街でばったり再会.30年ぶりだ.
「ああっ,久しぶりシゲヨシ.それにしても,俺だってよく気が付いたなあ」
タカシの前に現れた男.「久しぶりシゲヨシ」だ.
「この街から私の夢が始まるのね」
アイドルになることを夢見て,若者の街渋谷にやって来た田中ようこ.
彼女こそ後のアイドル天使,「ようこそようこ」その人なのであった.
髪型を変えてイメージチェンジ.夏休み中に長かった髪を思い切ってバッサリと切ってしまった若林コズエ.そんなコズエの夏休み明けの一日目.
「あー,頭切ったんだコズエ」
「うん,ちょっとイメージを変えようと思って切っちゃった」
「古典的なのに引っかかっらないでよ.切ったのは頭じゃなくて,髪の毛でしょ」
夏休み明けの教室に現れた女,「頭切ったコズエ」,イメージチェンジ成功だ.
自分でも何が書きたいのか分からない.