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November 12, 2004

ナンシーとタケオ

中学一年の時,英語の教科書には納得できない訳が書かれていた.未だに,納得できていない.
場面は,アメリカから日本に来たナンシーを文通相手のケイコが空港に迎えに来たところ.ケイコはナンシーに空港まで一緒に来た兄弟を
"He is my brother."
と紹介する.
ナンシーは,予め手紙で兄弟の名前を知っていたのであろう.こんな発言をする.
"Oh! You are Takeo."
この発言自体は,おかしくない.おかしいのはこの訳だ.
「まあ!あなたはタケオです.」
これは,どうだろう?「まあ,あなたがタケオさんね.」の方が自然だ?「あなたはタケオです」などと,ナンシーなんぞに断定されなくても,自分がタケオであるということはタケオ自身が一番よく分かっている.何で今さらアメリカ娘にそんなこと言われなきゃならんのだ?
教科書に書かれていない所で何かあったのか?

ナンシーには生き別れの兄弟がいた.名前はタケオ.十年前,風呂場で滑り頭を打って記憶喪失になったタケオは,前後不覚のままフラフラと家を出て行ったきり,行方不明になってしまった.
ナンシーは,文通相手のケイコから,十年前に養子で来たカズオという変わり者の兄弟がいることを聞いた.なんと,カズオは時々無意識に英語で話をするというのだ.もしかしたらと,ナンシーは緊急来日.
カズオを見たナンシーは涙を流してこう言う.
「まあ(ケイコが何と言おうと),あなたはタケオです.」

国際指名手配のタケオを追うインターポールのナンシー捜査官.日本に逃げ込んだらしいという噂を最後に,タケオの足取りはつかめなくなってしまった.そんな時,文通相手のケイコから送られてきた手紙にはこんなことが書かれていた.
「最近,兄マサオが別人のように変わってしまった.どうしたのだろう?」
怪しいと睨んだナンシー捜査官は緊急来日.マサオを見て,タケオが変装していると見破り言った.
「まあ(ついに会えた),あなたはタケオです.」

催眠術にかかりやすいタケオ君.ある日,彼は友達から遊び半分で催眠術をかけられてしまう.「今からお前は『ヤンバルテナガコガネ』になーる」.タケオ君は,自分がヤンバルテナガコガネだと思い込んでしまった.焦った友達は催眠術を解こうとするも,全然解けない.一番困ったのは家族.突然,ヤンバルテナガコガネが家族に加わるのだ.ヤンバルテナガコガネって何を食べるんだ?タケオ君の妹のケイコは,文通相手のナンシーが高名な精神科医であることを思い出し,タケオのことを手紙に書いた.ナンシーは友達のピンチに緊急来日.空港で会うなり,タケオ君の催眠術を解く.
「まあ(これは酷い),あなたはタケオです.」

教科書の裏にはこんな事があったに違いない.それなら「まあ,あなたはタケオです.」という訳にも納得できる.
ああ,それならそうと早く教えてくれれば良かったのに.十年以上も悩んだじゃないですか.

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Comments

いつも何を考えて生きてますか?
私もシュールな世界で生きてみたい・・・

Posted by: コングBA | November 14, 2004 at 10:36 PM

いつも真面目に考えているような,いないような.
まあ,仕事で小難しいこと考えている反動ですかね.きっと.と,下らないことを考えている理由を取って付けてみる.

Posted by: JC若鶏 | November 15, 2004 at 01:44 PM

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