« December 2005 | Main | February 2006 »

January 31, 2006

マゼラン海峡冬景色

塩素系の洗剤や酸性の洗剤には「混ぜるな危険」と書かれている.世の中,混ぜてはいけないものはそれだけではない.

いつもの教室も今日は少し雰囲気が違う.転校生が来るのだ.
「今日は転校生を紹介する.よし,自己紹介してくれ」
「はい.初めまして.丸和太郎です.よろしくお願いします」
「みんな,丸和は,混ぜるな危険だから迂闊に仲良くしないようにな」
リアクションに困る生徒達.どう付き合えば良いのだろう.

今日は時間がない.朝飯のご飯に味噌汁をかけてかき混ぜる.
「何してるの.今日の味噌汁は混ぜるな危険なのよ」
叫ぶ母親.しかし,時既に遅し.飛び散る冷や飯.

体育館の裏に若林さんを呼び出した.川本君,勇気の瞬間だ.
「若林さん,好きなんだ.付き合って欲しい」
「ごめんなさい.私,あなたとは混ぜるな危険なの.ごめんなさい」
「えっ」
「いや,嫌いじゃないのよ.混ぜるなだから.それじゃあ」
走り去る若林さん.一体どういうことだろう.

超獣戦隊アニマライザーの5人は,最後の決戦に臨んでいた.目の前にいるのは,密猟将軍ブラックハンターだ.
「行くぞ,みんな.勇気と愛を合わせるんだ.」
アニマライザーが放った光線が,ブラックハンターを貫く.
「くっ,勇気と愛は混ぜるな危険だったか.無念だ」
爆発するブラックハンター.

仕事での外人と会議.飛び交う英語.そして,混じれない自分.次回は,混ぜるな危険の札を首から下げて参加したい.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

混中記

昆虫記で有名なファーブルはフランス人だ.ということは,恐らくファーブルは本場フランスのファッションから目を背け,昆虫に目を向けて生きた人だ.お洒落な服で着飾った青春やトレンディーな恋愛などと決別し,蟻の巣に水を流し込んだり,蝶の蛹をセロファンテープでグルグル巻きにして思春期を過ごした人なのだと思う.

・夜空の星を結び昆虫座を作って頬を赤らめた夜
・昆虫と将来の夢を熱く語り合って夜を明かした青春時代
・将来を誓った昆虫と一緒に市役所へ婚姻届を出した日
・昆虫で味噌汁の出汁をとってみた夕食
・さっとあぶった昆虫でお客をもてなしたパーティー

昆虫とファーブルの赤裸々な日々を綴ったファーブル昆虫記.現代の奇書の一つだ.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 27, 2006

ナウマン

唐突だが,最近ナウマン象が気になる.自分の中でちょっとしたナウマン象ブームが来ているといってよい.氷河期くらいに日本にいた象,ナウマン象.ハインリッヒ・エドモント・ナウマンさんが化石の研究をしたことに因んで名付けられたナウマン象.現代にいなくて少し残念だ.ちょっとしたところに生き残りがいて欲しい.

福島県のある小さな都市の客の入らないラーメン屋.そんなラーメン屋でラーメンを注文.
「すみません,タンメン一つお願いします」
「あいよ」
と厨房から覗かせたオヤジの顔はどこかで見たことある顔.
「あっ,オヤジさん.どこかで見たことあるよ」
「いや,気のせいですよ」
「そうだ,思い出した.オヤジさん,ナウマン象でしょ」
「嫌だなあお客さん.ばれちゃったよ」
氷河期には栄えたナウマン象が,生物学界の盲点を突く.

自動車に貼ってあるのを見かけるシール.
「ナウマン象が乗ってます」
英語で書くと「Naumann in the car」.

レントゲン写真を見て唸る医者.心配そうな表情の患者.
「うーん,肺にちょっと影が見えますねえ」
「それはどうなんですか」
「これは,ナウマン象ですねえ」
「どういうことですか」
「大丈夫です.根は優しい奴ですから」
大丈夫なものか.

新橋にある老舗の寿司屋に毎年恒例の貼り紙.
「ナウマン寿司はじめました」
老舗だからこそできる業,寒い季節にナウマン寿司.心も体も温まる.これだから日本人はやめられない.

コンビニエンスストアの会計.
「852円になります」
「あっ,一万円ですけど構いませんか」
「はい,一万円でよろしいですか」
「はい」
「一万円札とナウマン円札入ります」
いつの間に入ったんだろう,ナウマン円札.

知らない所で活躍するナウマン象.ひょっとしたら人間は,ナウマン象に生かされているのかもしれない.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 26, 2006

おじいちゃんの裏

「サザエさん」には,裏のおじいちゃんと裏のおばあちゃんと呼ばれる人物が登場する.今更書く必要もないと思うが,サザエさん一家が住む家の裏に住んでいる人の良いおじいちゃんとおばあちゃんだ.しかし,本当にそれだけなのだろうか.裏のおじいちゃんと裏のおばあちゃんというのは.

・新宿では皇帝と呼ばれている

・スイス銀行の口座に莫大な資産

・一声で数万人を動かせる人脈

・要人達がお忍びで訪問する

・唯一の失敗はマッカーサーの暗殺

たとえ表に住んでいたとしても裏のおじいちゃんと裏のおばあちゃんだ.タラちゃんを見て微笑む裏のおじいちゃんの目は笑っていない.カツオにおやつをあげる裏のおばあちゃんが見せる機敏な動き.老いてもなお自分達の牙は鋭く磨かれている.磯野家の背後で眠る巨大な虎.

| | Comments (3) | TrackBack (0)

January 25, 2006

有識者

株価が急落したり,逮捕されたりしている.そんなニュースで出てくる解説者は企業買収に詳しい弁護士が多い.出てきて毎回同じような話をしているような気がする.たまには,企業買収に詳しい弁護士の代わりに別な有識者に解説してもらっても新鮮なのじゃないだろうか.

「こんばんは.夜のニュースです.本日は,企業買収に詳しい弁護士の代わりに,蟻の生態に詳しい弁護士をお呼びしました.M&Aに関してですが,どうでしょうか」
「あ,はい.私は,企業買収のM&Aのことはよく分かりませんが,蟻の世界ではM&Aと言えばマーガリン&アリ.この組み合わせはですね,かのファーブルが」
「ちょっと待って下さい」
と蟻の生態に詳しい弁護士の話を遮るのは,同じく解説者として呼ばれたモモンガの習性に詳しい市役所員だ.
「M&AのMはモモンガのMでしょう.馬鹿なこと言っちゃいけませんよ」
「あの,私も,それについて意見があります」
と言うのは醤油の醸造に詳しい鉄道員だ.
「一口に醤油といいましても種類は沢山ございまして,個人的にはマーガリン醤油よりバター醤油の方が私といたしましても」
「ちょっと,ねえ,醤油のぽっぽやは黙ってて.恋愛ってやっぱり違うと思うのよ」
と友達から恋愛相談をよく受ける女子高校生も議論に加わる.
「恋愛と空は通じるものがありまして,見上げたイワシ雲に秋を感じ,そして,恋している自分に気が付くってこともですねえ」
と空の青さが目に染みる紳士も意見を述べる.
「いや秋といえば秋刀魚.これしかないね」
秋刀魚の脂に秋を感じる魚屋も黙ってられない.
「とにかく,何でもいいけど.風呂は熱いのに限るよな」
と熱めの風呂が好きな江戸っ子が話をさらに掻き混ぜる.
全くまとまりの無い議論が展開.話についていけないアナウンサー.そして最後は「人間だもの,次はがんばろうよ」というどうでもいい結論で決着する.手を取り合う有識者達.

そんな議論が繰り返されるニュース.しゃべり場といってもよい.

| | Comments (0)

January 24, 2006

グルニ絵

不動産屋の前に置いてあるフリーの住宅情報誌を見ていた.物件の紹介で,特徴や設備のアピール欄に「グルニエ」と書いてあった.特定の一つだけではなく,いろいろな物件に.何だ,グルニエというのは.後ろの用語解説にも「グルニエ」の欄には「グルニエ」と書かれているだけ.全く説明になっていない.

リゾートの高級ホテルなどでは,ウェルカムフルーツなる洒落たものがある.客の到着に合わせ,すぐに食べられるフルーツが部屋に用意されているサービスだ.それを参考に不動産業界で考案されたのが,ウェルカムグルニエだ.引っ越し先の新居にグラタン的なホワイトソースのかかった食べ物,グルニエが準備されているサービス.熱々で湯気を立てたグルニエが新居の床に置いてある.喜び頬張る家族.子供達もニコニコ.グルニエ付きの家に引っ越してきて良かった,そんな瞬間がそこにある.

地中海に面したスペインの小さな村,グルニエ.グルニエでは,昔から屋根に海草を隙間無く敷き詰める習慣がある.そんな習慣を現代の建築に取り入れたのが,グルニエ工法だ.グルニエ工法は,最近の建築界での流行りだという.
グルニエ,茎ワカメの産地としても有名な村だ.

一流フランス料理の店にて.
「お客様,イセエビの茹で加減は如何いたしますか」
「うむ,グルニエで出来るかね」
「かしこまりました」
生でありながら火が通っているグルニエ.一流料理人にのみ許された業だ.フランス料理に,日本料理の技法を取り入れて生まれた技法.それがグル煮えだ.

昆虫や蛙が木の枝に刺されて干物のようになっている物を見かけることがある.秋の終わりに多いモズのはやにえだ.一方,一年中いつでも見られるのは,鳩のグルニエだ.木の枝に厚揚げや豆腐が刺さっている.鳩の謎の習性だ.

「グルニエ」
コーカサス地方の言葉で「こんにちは」を意味する.「グルニエ」のある家,それは「こんにちは」のある家.家族がお互い向き合っている家.グルニエハウス,それは理想の家.

何だかよく分からないが,熱々のグラタン的な物が置いてあったり,ワカメがびっしり張り付いていたり,半生の厚揚げが刺さっている家.でも家族はニコニコ.グルニエの家は,みんなの心の中にある夢の家だ.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 21, 2006

つま先の尖り

お洒落といえば,先の尖った靴だ.暫く前から先の尖った靴が気になっている.OL的な女性が大部分であるが,妙に先が尖っている靴を履いている人がいる.明らかにその靴の先にまでつま先が入っていない.何故靴の先を尖らせる必要があるのだろう

ハムスター入れ
ちょっと会社で辛い目にあったり,気になるあの人に恋人がいるのを知ったときなど,元気がなくなったときはこれだ.靴を脱いでそっと中を見ると可愛らしいハムスターと目が合う.これでまた頑張れそうな気がする.

冷や飯入れ
急な空腹でも困らない.もしものときには,靴を脱いで中から冷や飯だ.小腹が空いたらちょろっと冷や飯を取り出し,お口へポイ.靴冷や飯はお母さんの香りがします.

海苔の養殖場
長い間履いていると本人も気が付かないうちに,いつの間にか靴の先に海苔が繁殖している.幻とも云われるクツノリだ.ほんのり漂う磯の香り.ソースの上にパラリとふりかければ,急なお好み焼きにも対応可能だ.

失くした大切な物入れ
今の自分を考えてみる.子供の時に夢見ていたのはこんな自分だろうか.子供の時に夢見ていたことは,何だろう.ふと靴の中を覗いてみた.そこに見つかる大切なもの.ここにあったんだ,あの時の大切な気持ち.

ジャンボリー入れ
ジャンボリーが何かと訊かれても分からない.アフガニスタン原産の動物的なものだということだ.それが靴の先に入っているらしい.

いつか自分も入ってみたい.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 20, 2006

畳オモテ

「モテ」という言葉が良く使われている.モテ服やらモテ体型やら,モテの後ろに何やら言葉を付けて使われることが多いようだ.「モテ」という言葉が多用されるファッション誌.さぞお洒落な人達がモテを目指して読むことだろう.モテから遠いところにいる自分にできることは,「モテ」という言葉が別な意味を持っていることを祈ることだ.モテを目指す人たちが,知らないうちに別な方向を向いていることを祈ることだ.

コスタリカのジャングルに住むトカゲ,モテトカゲ.現地ではモテと言えばこのトカゲだ.結構すばしっこいぞ.

インドで一番人のいいおじさんとして有名なのは,ノラメル・モテ氏.モテと言えばこの人だ.ナンが大好きだ.

出世魚として有名なブリ.ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと名前が変わるが,漁師の話では,実はワラサとブリの間にモテがあるという.通好みの味だということだ.

電車の吊り革.わっかの部分を業界ではモテと呼ぶ.ヌルヌルしてると気持ち悪い.それがモテ.

目の前のモテから必死で目を逸らす.それがモテない男のレクイエム.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 19, 2006

宇宙船地球号

子供やペットを育てるときには,甘やかしたり優しくしてばかりいてはいけない.勿論,それは地球にもいえること.地球に優しくしてばかりではいけないと思う.地球のこれからを真剣に考えると,時には厳しく接することが必要ではないだろうか.

・穴は深めに掘る
・歩くとき強く地面を蹴る
・臭い物を埋める
・「回っているだけでいいのか」と言ってみる
・太陽のことばかり話題にする

時には厳しく地球に接する地球のための教育.将来社会に貢献する地球になってほしい.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 18, 2006

汲取式

弓取式が魅力的だ.相撲の全取組が終わった後,力士が土俵に上がって弓を振り回す儀式だ.勝者の舞らしいのだが,意味がよく分からない.相撲に勝ったからといって何故あのように踊るのか.何故弓なのか.謎はあるものの,魅力的な踊りには変わりない.この素敵な踊りを日常に取り入れられないものだろうか.

営業部の山田さんが机で契約書を振り回して踊っている.何故だろう.契約を勝ち取った営業部員の紙取式だ.営業部伝統の勝者の舞.

トイレで掃除のおばちゃんがデッキブラシを振り回して踊っている.何故だろう.便器の頑固な汚れが落ちたときに踊る汚取式だ.清掃員伝統の勝者の舞.

カレー屋でインド人が皿を振り回して踊っている.何故だろう.インド人がうまいカレーに出会った時に踊る皿取式だ.インド伝統の勝者の舞.

庭で飼っている犬が骨を振り回して踊っている.何故だろう.犬が他所の犬から餌を勝ち取ったときに踊る骨取式だ.ダックスフント伝統の勝者の舞.

卒業式の日,部室で卒業生の先輩が踊っている.何故だろう.3年間の思い出を振り回して踊る思取式だ.ハンドボール部伝統の試合に勝てなくとも3年間続けたことに意義がある舞.

駅前でストリートライブをやるのもいいけど,弓取式もいいよねと思う.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 14, 2006

機動戦士ガムダム

口の中にいつまでも残る食べ物が嫌いだ.だから,ガムや飴を食べることはほとんどない.特にガムは嫌だ.ガムを噛んでいると,たまに間違って舌を噛んで痛い思いをする.舌を噛むリスクまで負って食べる程うまい物でもないので,最近は全くガムを食べていない.焼肉屋などでガムを渡されても,後で捨ててしまう.しかし,いくら嫌いだからといっても,捨てるときは少し勿体無いなあと思う.ガムが嫌いな人でも食べる方法はないものだろうか

「本日も『発見!郷土料理うまい物』,生放送でお送りいたしております.今日の郷土料理は立山の郷土料理です」
ここは毎週火曜日の夜6時から始まる人気番組,「発見!郷土料理うまい物」の収録現場.今日は立山の麓にある村の一軒にお邪魔しての放送だ.そして,レポーターの傍らに座っているのはこの家のおばあちゃんだ.
「おばあちゃん,ここの郷土料理は何ですか」
「この村の名物は,ガム料理ですじゃ」
「えっ,ガム,ですか」
「ああ.ガム料理じゃ」
岩魚料理が名物だと聞いていたのだが,どこで食い違ったのか.しかし,これは生放送.ここで慌てるわけにはいかない.
「ええと,それは珍しいですね.ガム料理というのは昔からあるんですか」
「ああ.この村では昔からガム作りが盛んでのう.江戸の時代は将軍に献上したと記録にも残ってるんじゃ.でも,最近では手作りガムも少なくなってのう.昔はどこの家庭でも作ってたんじゃ」
「そうなんですか.そのガムというのは,何度も口の中で噛んで味わうあのガムですか」
「ああ.そのガムじゃが.昔の味は,今と違って醤油や味噌だったがの」
嫌な予感がするレポーター.でもここまで来てしまったからには後には引けない.自分もプロのレポーターなのだ.
「ええっと,ガム料理というのは,どんなものがあるんですか」
「ガム飯,ガム鍋,ガム汁をよく食べるのう.あとガム飯じゃ」
ぎょっとするレポーター.何故ガム飯を二回言ったのか,そんなことを気にしている場合ではない.
「ああっ.ええっと.おばあちゃん.今日はどのガム料理をご紹介していただけるんですか」
「これじゃ.まずこのガム寿司.まあ食いなされ」
皿に乗せられて出てきたのは,握った酢飯の上に板ガムがネタとして乗ったガム寿司だ.覚悟を決めてそれを食べるレポーター.口に放り込んだ瞬間,意外な顔になる.
「ガムが新鮮だからですかねえ,酢飯と合いますね.おおっ,ガムがぷりぷり,しこしこして」
「うまいじゃろう.うまいじゃろう.こっちのガムしゃぶもどうじゃ」
一緒に出された熱いだし汁に板ガムをしゃぶしゃぶとやり,ポン酢に浸して口に放り込む.
「これはまた,ねっとりともちもちして」
「どうじゃ,ガム料理は」
その時,部屋の襖がガラリと開き中年の女性が入ってきた.
「ああ,お邪魔しております.『発見!郷土料理うまい物』の収録で……」
レポーターがそこまで言うと,中年の女性は慌てて言った.
「おばあちゃん,何してるの.また東京から来た人に適当なこと言って.ああっ,うちのおばあちゃんがすみません,みなさん.あちらの部屋に岩魚を使った郷土料理が用意できましたので,どうぞ」
唖然とするレポーターを見ながらおばあちゃんはほくそ笑んだ.

何だか自分でもよく分からないエピソードだが,ガムの無限の可能性を示唆するエピソードだと思う.


| | Comments (3)

January 13, 2006

フードのフサフサ

お洒落なフサフサがフードに付いたコートやジャンパーがある.フードを被ることはなさそうなので,フードの存在自体も疑問だが,一番の疑問はフサフサだ.あれは何に使うのだろう.

道の片隅で雨に打たれて震えている子犬.そんな子犬を優しく包むのはフードのフサフサだ.お洒落なお兄さんはコートを脱いでフードのフサフサで子犬を包む.子犬の頼り切った眼差しがお兄さんを包む.そして,お兄さんと子犬が醸し出す優しい空気が道行く人々を包み込む.
お洒落で優しい.かつフサフサ.完璧なお兄さんだ.

スープにちょっと塩味が足りない.そんなときはフードのフサフサを千切ってパラリとスープに散らす.足りない塩味を補い,素材の味と素敵はハーモニーを奏でるフサフサ.ほんのり漂う磯の香りが嬉しい.

鬼達を退治した桃太郎.鬼達が村から奪った宝物を納めた蔵の扉を開けると,中に入っていたのはフードのフサフサだけ.
鬼達は何がしたかったのか.今でも謎だ.

動物園で虎が檻から逃げ出した.逃げ惑う客.襲い掛かる虎.動物園は阿鼻叫喚の巷と化す.暴れる虎を止めたのは,いつもは冴えない飼育係だ.
「フサフサチョップ」
冴えない飼育係のフサフサチョップが虎に炸裂.虎は大人しく檻に戻って行った.

仕事で嫌な事があった.一人,電気を消した部屋でフードのフサフサを触ってみた.何だか少し元気が出た気がした.

いろいろな用途があるフードのフサフサ.実は乾燥させたもずくから作られていることは内緒だ.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 12, 2006

エネルギッシュ

薬屋でなんとなく棚に並んだ薬を見ていた.「肩こりに」,「疲れ・だるさに」,「咳・鼻水に」と書かれたポップに並んで,「エネルギッシュな体に」と書かれたポップ.どういうことだ.やはり,エネルギッシュ過ぎる体は駄目だということなのか.これを飲むと,どんなにエネルギッシュな人でも塞ぎ込みがちな人になる薬とかあるのだろうか.
有り余る元気を抑える薬.どんなときに使うのだろう.

ゲートボールに水泳にいつまでも若々しく健康なおじいちゃん.孫から貰った誕生日のプレゼントは,エネルギッシュ薬だ.がっくりするおじいちゃん.ありがとうと顔で笑って心で泣く.それが老人道.

家族のためと,休日返上で仕事に頑張るエネルギッシュお父さん.子供達が勤労感謝の日に送ったのは,エネルギッシュ薬.ゴクリと飲んで失うお父さんのエネルギッシュ.
それ以来お父さんは家でゴロゴロして仕事に行かなくなったけど,家族の距離は近くなったよね.

暴力を振るい,夜中はコンビニエンスストアの前に座り込むようになってしまった不良息子.悩んだ父母がすがったのはエネルギッシュ薬.息子の味噌汁にこっそり入れて飲ませてみた.みるみる内に効果が現れ,今ではすっかり塞ぎ込んで部屋から出てこない.お父さん,お母さんも一安心.荒くれ息子のいるご家庭にお勧めです.

可愛くて明るいクラスの人気者のこずえちゃん.それを妬んだ女子のグループが密かに給食の牛乳と一緒に飲ませたのは,エネルギッシュ薬.明るさをなくしたこずえちゃん.しかし,影のある彼女も趣深いと,さらに人気が出てしまい裏目に出てしまった.悲しき妬みグループ.

普段から塞ぎ込みがちな自分.うっかり間違って飲まないようにしたい.


-----

本文とは全く関係ないのですが,グループ魂のアルバム「TMC」に収録されている「大江戸コール&レスポンス」は,とてもおもしろいです.電車の中で聞いていましたが,笑いが止まりませんでした.レンタルでもあると思いますので,機会があれば是非お聞き下さい.お勧めです.

| | Comments (2) | TrackBack (0)

January 11, 2006

踊る蟹工船

「躍り出る」という言葉がある.舞踊の意味で使う「踊り」ではなく,躍動の意味で使う「躍り」という漢字を使うことは分かっている.しかし,「躍り出る」という言葉を聞いて思い浮かべるイメージは,踊りながら出てくる人である.そんな人はいないのかもしれない.それでも語源となった踊りながら出てきた人の存在に期待してしまうのは自分だけではないと思う.

江戸時代の出来事.
現在の埼玉県のある村では,農民達が領主の圧政に苦しんでいた.そんな折,その村の近くを将軍一行が通るということになった.これはチャンスということで,農民達は将軍への直訴を考えた.しかし,当時は封建時代.農民などが将軍に直訴するなど恐れ多いこと.磔となってしまう.そんな農民達の中で勇気のある農民が立ち上がった.躍りが得意な農民,膳兵衛だ.直訴状を持って,将軍の列に踊りながら出て行ったという.
この踊りは,秩父名物「膳兵衛踊り」となり現在に伝えられている.ブレイクダンスに近い踊りだ.

昔,ギリシアの戦士が,戦場のマラトンからアテナイまで走り,ペルシア軍に勝利した知らせを伝えて死んだという故事.有名なマラソンの発祥の言い伝えだ.しかし,この話の裏にはもう一つの話があるという.実は,マラソンの彼がマラトンから出発する前にアテナイに向け出発した者があった.踊りで有名なヘロテスだ.彼はペルシア軍を破った喜びを表現するため,尻をプリプリと奇妙な踊りをしながらアテナイを出て行った.今でいう競歩の動きだ.アテナイに着いたときには既にニュースは伝わっていたものの,ヘロテスはマラソンの彼よりも喝采を以って迎えられたという.
ヘロテスは歴史に名を残せなかったが,世界で初めて踊り出た人となった.

「私が敵の気を引くために踊っている間にお逃げ下さい」
「それでは,弁慶,お前はどうなる」
「私に構わず,お逃げください」
「分かった…….また会えることを祈っているぞ」
「それでは,私が先に参ります.うおー」
戸を開け踊りながら飛び出した弁慶.「それっ,わっせっせっせ」が弁慶の最後の言葉だったという.
弁慶に助けられた男の名前は源義経.後にスウェーデンに渡り,バイキングとしてヨーロッパを震撼させる男である.

いつしか「踊り出る」という言葉は「躍り出る」と変わってしまったという.本当の英雄は,歴史の表舞台に躍り出ずに,影で踊り出たという話だ.私がこの先「躍り出る」という言葉を使う時,熱いものが胸にこみ上げることだろう.

| | Comments (0)

January 07, 2006

パリ・コレステロール

「パリコレ」と呼ばれるものがある.「パリ・コレクション」,略して「パリコレ」だ.いつも「パリコレ」という言葉を聞くと思うのだが,あれをコレクションと呼んでよいのだろうか.ファッションだけをコレクションして,それで「パリコレ」.これではコレクションとして寂しくはないか.世界に誇るパリコレなのだから,もっといろいろとコレクションするべきなのではないだろうか.

・海岸に流れ着いたワカメ
・子供から奪ったムシキングカード
・思春期に書いた詩
・陶芸職人に無理やり焼かせたパン
・高校球児の涙
・アツかったあの時の夏

9頭身のモデルがムシキングカードを片手にポーズを決めたり,ワカメを振り回して磯の香りを散らしたり.思春期の詩を朗読して顔を赤らめたり,アツかったあの時の夏を体で表現したり.そんなところにコレクションの感動があるのだと思う.

| | Comments (2) | TrackBack (0)

January 01, 2006

創作クイズの店

明けましておめでとうございます.
以前このサイトで公開したテキストをブロイラー養鶏舎でも公開致します.

「創作クイズの店」

宜しければご覧ください.
(上の「創作クイズの店」をクリックして頂くと別ウィンドウが開きます)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« December 2005 | Main | February 2006 »