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February 28, 2006

フレミング

電磁気学には「フレミング左手の法則」なる法則がある.磁場中を流れる電流が受ける力の向きの関係を表した法則だ.左手の親指,人差し指,中指が互いに直角となるように指を開くと,それぞれの指が力,磁界,電流の方向を表すことができるというもの.中学で教わる法則だったように思う.しかし,問題なのは「フレミング右手の法則」まであることだ.ややこしいことに,左手の法則も右手の法則も,表しているのはほとんど同じこと.
フレミングがこれを発見したとき「おおっ,左手っぽい」と興奮したことだろう.しかし,フレミングも馬鹿ではない.少し考えれば分かる.「あれ,でも,よく考えて見ると右手でもできるじゃん」.そんなことで生まれた「フレミング左手の法則」と「フレミング右手の法則」.もう何が何やらだ.右も左もフレミング.これでは何でもフレミングだ.

二人が結婚に辿り着くまでに歩んできた道は,決して平坦な道ではなかった.三角関係,親の反対,身分の違い.しかし,幾多の困難を乗り越え,今日,二人は結婚の日を迎えることができた.そんな二人に働いた法則は,フレミング愛の法則だ.中指が彼,人差し指が彼女,そして親指は未来を表しているのだ.

出るといつも一回戦負けだった高校の野球部がついに甲子園出場.そんな野球部に働いたのは,フレミング勝利の方程式だ.努力+団結=勝利+感動.フレミングが導く勝利だ.

隣に住む御老人は,何でも知っている品の良いおじいさんとして近所の尊敬を集めている.しかし,若い頃は数々の修羅場を命を懸けて渡り歩いたそうだ.今では,過去の自分を悔いているのとのこと.そんなおじいさんに若い頃に働いていたのは,フレミング若気の過ちだ.

朝起きて鏡を覗いてみた.何だか昨日までとは何か違う.何かが変わった.今日の自分は少し違う気がする.もっと頑張れそうな気がする.さようなら,フレミング昨日までの自分.

場末の居酒屋の片隅で,ちびりちびりと酒を飲みながら涙をこぼすフレミング.フレミング酒と涙だ.

幅広く活躍するフレミング.彼が教科書に載る理由はここにあるのかもしれない.

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February 25, 2006

シャイな畜生

悔しいとき,思い通りにならないときに口から出る言葉,「ちくしょう」.漢字で書くと「畜生」.牛とか犬のことだ.よく考えると,何をいいたいのかよく分からない.悔しいけれど,牛を心の中に思い浮かべて「畜生」と叫ぶ.かなりおかしなことになっている気がする.何をいいたいのかよく分からないという点では,「畜生」ではなくて「牛」と言ってもいいと思う.「畜生」と言うより風情がありそうだ.

・かわいいものを見て「子リス」と言う
・落ちているエロ本を見つけて「中学生」と言う
・狛犬を見て「シーサー」と言う
・自作の詩を読んで「メルヘン」と言う
・ちょっと脂肪を気にしているあの人に「カロリー」と言う
・ガチャピンを見て「ムック」と言う

勢いだけで言ってしまえばそれなりに通じると思う.

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February 24, 2006

暮らしを見つめる

電車で「室内の花粉の80%以上は衣類が持ち込んでいる(ライオン調べ)」という広告を見かけた.「ライオン調べ」.何だか凄いことになっている.ライオンという会社が調べたのかもしれないが,動物のライオンが調べたという可能性も捨てきれない.百獣の王とも呼ばれるが,世の中の細かいことが気になって仕方が無いライオン.室内に入り込む花粉がどこから来たのか気になって仕方が無いライオン.ライオンの疑問は尽きない.

・何故パンを焼くと膨らむのか
・カニクリームコロッケは何故うまいのか
・ムツゴウロウさんと動物とのふれあいは本当のことなのか
・我慢したオナラはどこへ消えてしまうのか
・あの頃の熱い気持ちはどこへ行ってしまったのか

どうでもいいことばかり気になっているライオン.狙ったシマウマも逃しがち.そして残りの20%の花粉を室内に持ち込むライオンだ.

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February 23, 2006

マイプレジャー

ニュースなどで事故を起こしたと伝えられる船といえば,プレジャーボートだ.今までの自分を振り返ると,プレジャーボートに乗ったことがないような気がする.見たことすらないと思う.いやそれ以前に,よく考えたらプレジャーボートが何だか分からない.プレジャーボートとはどんなボートだろう.

世界中に溢れる水.大洪水に襲われる人々.その中で助かったのは,夢で聞いたお告げに従ったノアの一家だけ.家族みんなで作った手作りプレジャーボートで大波小波を華麗にかわす.プレジャーボートを作っておいて本当に良かった.

「ご注文は以上でよろしいですか」
「はい」
「只今,当店は刺身フェアのため舟盛りに出来ますが,如何ですか」
「あっ,お願いします」
「スパゲティーはプレジャーボートに盛るプレジャー盛りに出来ますが,如何ですか」
「是非お願いします」
スパゲティーはプレジャー盛りで食べるのがイタリア流.

1837年浦賀に黒船来航.江戸では大騒ぎだ.そんな時,密かにプレジャーボートは気仙沼へ来航.しかし,相手にされず,この事実は歴史の闇に葬られた.

冬に旬を迎える日本海のプレジャー.そのプレジャーを捕獲する漁船は,プレジャーボートだ.毎年この時期には,新鮮なプレジャーを満載したプレジャーボートが帰港する.帰って来た漁師達を迎えて,妻達は獲りたてのプレジャーを大きな鍋で煮る.皆で食べるプレジャー,プレジャー漁港ならではの楽しみだ.

人知れず働くプレジャーボート.今日もどこかでプレジャーという海を走っていることだろう.

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February 21, 2006

ゲルマン

歴史の教科書に出てくる「ゲルマン民族の大移動」.中学の歴史の教科書に唐突に出てきた気がする.何だか分からないが,ゲルマン民族が移動.理由は特になし.
しかし,単にその教科書に書かれていなかっただけで,実際には理由があると思う.巨大な列を成して移動するゲルマン民族.考えただけでドキドキする.どんな理由でゲルマン民族は動き出したのだろう.

「あのさあ,思いついたんだけどよ」
「何だ,言ってみろ」
「歩くときに,いつもより強く地面を蹴ってみてくれ」
「ああ」
「どうだ」
「あれっ,嘘,なにこれ」
「それを繰り返してみろよ」
「ああっ,うおっ,凄い.いつもより速く移動できる」
「どうだ.凄いと思わないか.みんなにも教えてみようと思うんだが」
「き,きっと喜ぶぞ」
人類が初めて走った瞬間.やがて仲間に「走り方」が伝えられてブームとなり,ゲルマン民族の大移動へと繋がる.

「あのさあ,はんぺんって,魚から出来ているらしいぞ」
「ええっ,信じられない」
衝撃の事実は皆に伝えられ,混乱したゲルマン民族は大移動を始める.

「今日はまた一段と冷え込むよな」
「ああ.でも,すぐそこまで春は来ているらしいぞ」
「本当か」
「ああ」
「やっほー」
暖かさを求め走り出したゲルマン民族.ゲルマン民族の移動,春の風物詩の一つだ.

あの頃の僕らとゲルマン民族は,自分の力でどこまでも行けると思った.その時の熱い気持ちは今でも僕らとゲルマン民族の心の中だ.

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February 18, 2006

ガガーリン

宇宙飛行士はロケットに乗るときにオムツを着ける.長時間トイレに行けないかったり,打ち上げ時にかかる重力で漏れてしまうのが理由らしい.
宇宙に行ったことのない一般の人は,宇宙へ行くのにオムツが必要だと思わないのが普通だと思う.恐らく,人類で初めて宇宙に行ったガガーリンも,宇宙へ行くまでオムツが必要だとは分からなかったと思う.
宇宙空間を漂いながら,こんなはずじゃなかったと頭をうなだれる汚れたパンツのガガーリン.宇宙服の機密性もその悲しさを加速させる.そして,地球に生還したときには,みんなにばれないようこっそりパンツ処分したことだろう.
しかし,ガガーリンは次の宇宙飛行士のためにオムツが必要であると伝えなければならないと思ったはずだ.オムツのことを伝えなければいけないけど,秘密は守りたいという葛藤.それとなく皆に伝えるために苦労したことは想像に難くない.

「ガガーリン君,宇宙はどうだったかね」
「はい,非常に素晴らしかったオムツ」
「えっ」
「いや,地球は凄く美しかったオムツ」
言葉の語尾にオムツを付けて必要なことをそれとなくアピール.

会議のテーマはガガーリンの宇宙へ出張報告.出席者に資料を配布するガガーリン.資料の裏に書いてあるのは「オムツ」の文字.

地球生還パーティーに招待されたガガーリン.豪華な立食パーティーで,隙を見て皿の上にピーナッツを並べて書く「オムツ」.

「あー,この部屋暑いなあ」
と額の汗をタオルで拭う.前髪の隙間からチラリと見えるのは,額に書かれた「オムツ」の文字.

オムツが必要だとメッセージを伝えるのに苦労したガガーリン.「地球は青かった」と感動的な言葉の裏でパンツは凄いことになっていたガガーリン.地球の青さよりも気になるものがあったガガーリン.本当にいいたいことは地球の青さとかそんなことじゃなかったガガーリン.
そんなガガーリンの思いは,今でも宇宙飛行士のズボンの中で生きている.

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February 17, 2006

釣りエサ三平

家の近くを車で走っていたら,ゴカイやイソメ,イトミミズなどが売られている店があった.イトミミズはいいとして,ゴカイやイソメというのは固いミミズのような生き物だ.これらは主に釣りのエサとして使われる.しかし,その店の近くに大きな川もなければ,海もない.ペットショップというわけでもなさそうなので,ペットのエサとしての用途で売っているわけでもなさそうだ.
ゴカイやイソメ,イトミミズなど専門に扱っている風な店.ガラスの戸には「生ゴカイあります」,「生イソメ○○円」などの張り紙もありやる気も充分.ゴカイやイソメ,イトミミズに何か特別な用途でもあるのだろうか.

お洒落なスカイラウンジで食事をするお洒落な男女.男が意を決して女に言う.
「結婚して欲しい」
「えっ」
男が内ポケットから取り出した指輪ケース.開けると中にはイトミミズ.
「本当に私でいいの」
「君しかいないよ」
「嬉しい」
喜んで嵌めたイトミミズが女の指でキラリと光る.

怒って卓袱台をひっくり返す頑固親父はちょっと古い.今の頑固親父はゴカイを撒く.
「バカヤロウ,こんな不味い飯が食えるか」
ポケットに忍ばせておいたゴカイを部屋にザバー.親父の威厳は保たれる.

ターメリック,ブラックペッパー,シナモン,そして生イソメ.生イソメはおいしいカレーを作るためのスパイスだ.インド人の家庭の味.

ちょっぴり毛髪の寂しいお父さん.そんなお父さんは家族に内緒でイトミミズ.頭にパラリで枯れ木も山の賑わい.イトミミズはお父さんの心強いサポーター.

電気製品店の中古パソコンの買取.現金で受け取ると,見積もり金額そのまま.ポイントで受け取ると,見積もり金額より10%アップ.生ゴカイで受け取ると,見積もり金額より20%アップ.生ゴカイのお得感.

釣りエサの生活への進入.コタツの上のミカンカゴに生イソメが普通に入っている日が来るのかもしれない.

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February 16, 2006

むくむくムック

フジテレビの子供番組ポンキッキに出てくるガチャピン.「ガチャピン」という名前は,「ガチャガチャピンピン元気な恐竜の子供」で「ガチャピン」ということだ.ガチャガチャピンピンでガチャピン.意味は全く分からない.しかし,ガチャガチャピンピンだからガチャピンで良かったが,一歩間違えて全く違う名前になっていた危険を孕んでいたはずだ.

・ヌルヌルレロレロでヌルレロ
・エロエロスケスケでエロスケ
・ツルツルシコシコでツルシコ
・ネリネリサバサバでネリサバ
・ムチムチモリモリでムチモリ

ヌルレロやツルシコ,ムチモリなる得体の知れないヌイグルミが子供に纏わりつく子供番組.自分に子供が出来たら積極的に見せたいと思う.

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February 15, 2006

漁師の心

今回の「漁師を訪ねる」は,2月14日のバレンタインデーに因み,カカオ漁師の潮田海老輔(うしおだえびのすけ)さん(76歳)を訪ねた.潮田さんは,近年では数少ない近海のカカオエビを狙う漁師だ.カカオエビは最大でも1cmに満たないエビで,チョコレートの原料として知られている.

カカオエビ漁は朝早くに行われる.
「カカオエビは朝の早い時間じゃねえと,海面近くに来ねえんだ.いつもは海の深いところに潜んでるから獲れねえんだよ」
と潮田さんは語る.
今の時期,1月から2月にかけてカカオエビが旬を迎える.バレンタインデーを控えて需要が増えることも重なり,家族総出の大仕事となる.獲れたてのカカオエビを茹でる仕事は奥さんの潮田カメさんの仕事だ.
「カカオエビは生きている内に茹でないと風味が落ちるからねえ.やっぱり食べるなら,美味しいものがいいだろう」
とカメさんは誇らしげにこう言った.
茹でたカカオエビは,冬の乾燥した天日の下で一日干して出荷となる.チョコレートの原料は,この乾燥したカカオエビを石臼で挽いた粉である.

潮田さんの住む地域では,昔から2月14日に女性から男性へプレゼントを贈る習慣はあったという.潮田さんはその習慣を詳しく教えてくれた.
「昔はこの辺りにカカオエビはいなかったってえ話だ.何でも織田信長の時代に,宣教師のバレンタインってえ人が持ってきたカカオエビが,この海に住み着いたってことらしいなあ.で,2月14日に女がカカオエビの佃煮を思いを寄せる男に贈るのがこの地方の慣わしだ.何でこんなことが始まったのか詳しくは知らねえけど,織田信長にカカオエビの佃煮を献上したのが始まりって聞いたことがある」
カカオエビは佃煮にして食べるのが,この地方の食べ方だ.
「カカオは佃煮で食べるのが一番うまい.でもカカオ汁もうまいなあ」
潮田さんにカカオエビの食べ方を尋ねたらこう答えてくれた.カカオ汁とはカカオエビで出汁をとったココア味の郷土料理だ.ココア味の汁に塩ワカメ.カカオとワカメのコラボレーションに身も心も温まる逸品である.

潮田さんは,最後にバレンタインデーにチョコレートを贈る習慣についてこう語った.
「チョコレートなんかじゃカカオエビのうまさは分からねえ.佃煮で贈った方がいいんじゃねえかなあ」
カカオエビ漁師の言葉,心に刻みたい.

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February 14, 2006

流水麺

最近,会社の女子トイレに音消しマシーンが導入された.音消しマシーンとは,流水の擬音で排泄の音を誤魔化すあのマシーンのことだ.その導入された音消しマシーンだが,びっくりする程の大音量.女子トイレの音が少し離れた男子トイレにも聞こえてくるので,女子トイレに行かない私でも音消しマシーンが導入されたことが分かる.同じフロアだけならまだいいのだが,ワンフロア上や下の音まで聞こえてくる.何の目的なのか知らないが,嫌がらせじゃないかと思う.それとも音を消す以外に目的があるのか.

職場を視察に回る会社の社長.そんな時には,女子社員がトイレのブースに入り,一斉にスイッチオン.オフィスに響き渡る音消しマシーンの流水音が社長を迎える.流水音は社長を称えるテーマ音楽.両手を挙げてそれに応える社長の顔はいつもより誇らしげだ.

「若林さん,僕と付き合ってくれないか」
今日の残業で会社にいるのは,丸和君と若林さん.丸和君は,二人になるチャンスを狙っていたのだ.
「丸和さん,ちょっと待ってて」
とトイレに飛び込む若林さん.響いてくるのは音消しマシーンの流水音.
「えっ,本当にいいの」
と小躍りの丸和君.トイレの大音響は「愛している」のサインだ.

トイレに響く音消しマシーンの流水音.その音に反応し,秘密基地でも大音響.
「おい,みんな出動だ.配置に着け」
トイレの大音響は超獣戦隊アニマライザー出動の合図.
「アニマジェット発進」
「アニマタンク発進」
山が割れて秘密基地から飛び出すジェットとタンク.トイレのスイッチでメカが発進.奇跡の力だアニマライザー.

食欲がない.そんな時には,音消しマシーンの流水音だ.「ジャー」という音をおかずにご飯を食べる.いつもよりご飯の甘みを感じるのは気のせいではない.

夢が広がる音消しマシーン.ビジネスにもレジャーにも不可欠な物となると思う.

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February 11, 2006

ジャンボ・リー

ボーイスカウトというのは,何をする団体なのだろう.個人的には,キャンプ場でジャンボリー的なことをやっている団体なのだと思っている.森に囲まれジャンボリー.でもジャンボリーって何だろう.

「みんな,今日はこれから飯盒炊爨だ」
今日は飯盒炊爨.ボーイスカウトの少年達は嬉しそうだ.
「みんな,ジャンボリーも忘れるなよ」
ボーイスカウトの食事に不可欠なジャンボリー.甘辛く煮るのがボーイスカウトスタイル.ご飯にかけてジャンボリー丼にして食べる子供.ジャンボリー,米,ジャンボリー,米,お新香の順にバランスよく食べる子供.少年達の血となり肉となる.

大きな木の二股に分かれた部分に巣箱を設置する.ジャンボリーの巣箱の設置.それもボーイスカウトの大切な仕事だ.去年設置した巣には既にジャンボリーの卵が入っている.野生のジャンボリー繁殖の願い.

「みんな,今日の活動はスペシャルゲストに来てもらったぞ」
突然のゲストにざわめく子供達.
「みんな,静かにしろ.ゲストは,あのジャンボリーさんだ」
「えー」,「すげー」,「かっこいい」と歓声を上げる.ジャンボリーさん,ボーイスカウトでは伝説の人だ.

「みんな,このキャンプ場の川沿いにはジャンボリーが湧いているそうだ.後で入りに行こう」
ちょっととろみのある天然ジャンボリーにつかり,一日の疲れを取る.ボーイスカウトの醍醐味だ.

イメージだけで書いてみたボーイスカウトの活動.ジャンボリー試しやジャンボリーファイアーなどイベントも盛り沢山.思ったよりも楽しそうだ.

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February 10, 2006

カズ箪笥

最近のサッカー選手は,ゴールが決まっても以前のように激しく喜ばなくなった気がする.以前はゴールを決めるとグランドを駆け回り,ダンスを踊り,上着まで捲り上げて半裸になり,おかしなことになっていた.特に,カズと呼ばれる選手は,ゴールを決めるとカズダンスなるものを踊っていた.カズだけでなく,ほとんどのサッカー選手の踊りは,カズダンスのようなものだった.
そんな広く踊られていたカズダンスだが,最近はさっぱり見かけない.カズダンス,どこかに密かに残っていないものだろうか

燃え盛る火炎が家を包む.
「誰か.子供が中にいるの.誰か助けて」
泣き叫ぶ母親.そこに現れた男がバケツの水を被ると炎の中に飛び込み,子供を救い出した.母親は子供を抱きしめ涙を流す.
「ありがとうございました,ありがとうございました」
と母と子が踊るのはカズダンス.新潟の村に感謝の踊りとして残ったカズダンス.母子が踊るカズダンスにたじたじだ.

村祭りで広場に集まった若者達は,男子と女子に別れる.男子は意中の女子の前でカズダンスを踊り,愛を受け入れた女子はそれに応えてカズダンスを踊る.群馬の山村に残ったカズダンスの風習だ.

ちょっと体がだるい時,熱が少し出た時,咳が出る時.そんなちょっと体の調子が悪い時にカズダンス.長野県のある集落では,ちょっとした病気を鎮めるおまじないとしてカズダンスの風習が残っている.

幼い息子がパパとママに質問
「昨日の夜,パパとママはお部屋で何してたの
パパは焦って答える.
「なっ,何でだい」
「何か,音がしてたから……」
「あっ,ああ.カッ,カズダンスだよ.カズダンス」
「えっ,カズダンス.何でカズダンスしてたの
「ヨシオもそろそろ弟が欲しいだろう
「えっ,弟ができるの.やったー」
パパはママの肩を抱き寄せる.ママは頬を赤らめる.カズダンスで家族円満.

カズダンスの風習.主に群馬と新潟の県境あたりに残っている.


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February 08, 2006

人類は麺類

暫く前のことだが,バスに乗っていたら「純手打ち麺」と書かれた看板を見かけた.手打ち麺は分かるが,純手打ち麺というのは何だろう.不純な手打ち麺とかそういうあれな麺があったりするのだろうか.

夢見がちな店主が打った「夢手打ち麺」.
若い頃の過ちを悔やんで打った「悔手打ち麺」.
店主がクネクネと恥じらいながら打った「恥手打ち麺」.
フランス料理への憧れを抱きつつ打った「仏手打ち麺」.
ポチのことを思って打った「犬手打ち麺」.
妻の悦子への愛を麺に込めて打った「悦子手打ち麺」.

純情な店主が顔を赤らめながら打った「純手打ち麺」.思春期の甘酸っぱい味の麺だ.

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成増

ファミリーレストランや居酒屋で,店員が注文した物を持って来るときに「こちらがミラノ風ピザになります」と言うことがある.以前から気になっているのだが,「なります」というのは何なんだろう.厨房から店員が持って来ている間はナポリタンか何かで,客に出す瞬間にミラノ風ピザに変化するのだろうか.ならば「(今はナポリタンですが)ミラノ風ピザになります」という言葉にも納得できる.

「こちらがシーザーサラダになります」
「はい,どうも」
「そして,このシーザーサラダは,さらに川エビの唐揚げになります」
「えっ,いや」
「はい,変わりますよ.3,2,1」
「えっ,あれこれ川エビ.でもシーザーサラダを頼んだんですけど」
「それではごゆっくりどうぞ」
目の前に残された川エビの唐揚げの香ばしさ.

「こちらが北海道ホッケ焼きになります」
「えっ,いや,これ,枝豆ですけど」
「いえ,これからなります.行きますよ」
「はあ」
「きえー」
店員の指先から青い光が迸り,枝豆は徐々にホッケに変わる.しかし徐々に萎びる店員.
「すっ,すまねえ.失敗しちまった.俺の力はどうやらここまでのようだ」
白髪になって力尽きた店員と,枝豆とホッケの中間生成物.

「こちらがご注文のハンバーグセットになります」
「はい,どうも」
「そして,こちらが私の息子なんですけどね,将来大物になりますよ」
親馬鹿店長.

「こちらがご注文の鰻御膳になります」
「ああ,ありがとう」
「そして,あたしは,あなたの彼女になります」
突然の告白に胸が高鳴る.

「こちらが,ご注文のエビチリ丼になります」
「はい」
「そして,乙女心で育まれた夢は星になります」
何を言っているのか理解できない.

料理が将来何になるか,それは料理自身が決めることだと思う.

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February 07, 2006

サルコとルッツ

フィギュアスケートを見ているとよく聞く「ルッツ」や「サルコ」.アナウンサーや解説者が「出ましたよ,ルッツですね」,「サルコが決まりました」などと言っているが,フィギュアスケートをほとんど知らない私には,「ルッツ」や「サルコ」が何だかさっぱり分からない.一体なんだろう,「ルッツ」や「サルコ」というのは.

「はーい,どうもー,大空ルッツでーす」
「大空サルコでーす」
「二人合わせてトリプルアクセルでーす」
サルコの鋭いツッコミとルッツのシュールなボケが冴えるお笑いコンビのトリプルアクセル.注目の若手芸人だ.

ファミリーレストランにて.
「ご注文はお決まりでしょうか」
「えーと,俺は,ステーキセット」
「ステーキセットは,パンとライスが選べますが,どちらに致しますか」
「パンにしてください」
「じゃあ,私は,鰻御膳」
「鰻御膳のお客様は,ルッツとサルコが選べますが,どちらに致しますか」
「ルッツで」
甘さのルッツと渋さのサルコ,どちらかが選べる嬉しいサービス.ファミリーレストランも馬鹿にできない時代だ.

アフリカの奥地の少数民族のンバホ族の長老は,侵入者の前に立ちはだかって言う.
「我ら,ンバホは天のルッツと地のサルコに守られている.裁きを受けたくなければ,よそ者は我らの土地から出て行くがよい」
天のルッツと地のサルコから生まれた民,ンバホ族.勇敢な戦士の一族だ.

ブナの木から切り出した木材をサルコで削り,仕上げにルッツで表面を滑らかにする.北海道の民芸品,サルコルッツの完成だ.最古のサルコルッツは500年前に作られた物で,国の重要文化財にしていされているという.

ルッツが空高く飛び上がる.サルコも続いて飛び上がる.太陽を背にルッツとサルコが合体.
「超獣合体,アニマライザー見参」
ルッツとサルコが一つになる時,奇跡の力だアニマライザー.

スケートで飛び出すダブルルッツやトリプルサルコ.もう凄いことになっている.想像も付かない事態に,フィギュアスケートに対する気持ちが盛り上がる.

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February 04, 2006

マメンチサウルス

豆まきは,廃れつつあると思う伝統行事だと思う.豆まきの復興のために,ここは一つ色々な場面で豆まきをしてみてはどうだろう.

「おい,何だこの企画書は.こんな企画が通ると思っているのか」
鬼部長の怒鳴り声が今日もオフィスに響き渡る.しかし,今日は節分だ.ポケットに忍ばせた豆を握り,鬼部長に投げつける.
「鬼はー外,鬼はー外」
豆に当たった上司の心の鬼が逃げ出し,心が澄み渡る.
「この企画いいじゃないか.これで行ってみよう」

「なあ,俺達,結局二人ともこずえちゃんに振られちゃったな」
「ああ,もうすぐ卒業で進路はバラバラだけど俺たちはいつまでも親友だよな」
沈む夕日を前に砂浜に佇む二人.高校3年間を親友として,恋敵として,仲良くも競い合った仲だ.
「それじゃあ,節分だし,豆でも撒くか」
二人はポケットに忍ばせた豆を海に向かって撒く.
「それ,鬼はー外.ついでに,こずえちゃんも外」
同じタイミングで同じ言葉を叫んだ二人は顔を見合わせて笑いあう.青春の一コマだ.

あわてん坊のサンタクロース.節分なのにやって来た.眠る子供の枕元に置かれた靴下の中に豆を一杯に詰め込む.一体,サンタクロースは何をしに来たのだろう.

地味な海草サラダに一工夫.豆をパラリと「鬼は外」.海草サラダに豆の賑わい.昔の人の知恵が生きる.海と畑のコラボレーション.海草のミネラルに加え豆の栄養だ.地味だけど栄養面では頼もしい一品.栄養の権化が食卓へ上る.

個人的には,冴えない大豆より,アーモンドやカシューナッツを投げて豆まきを盛り上げていきたい.

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February 03, 2006

カッとワカメ

新聞やニュースサイトなどの事件の記事を読むと,犯行の動機に「カッとなって」と書かれていることがある.これまでの自分自身を振り返ると,これまでカッとなったことがないような気がする.体験したことのない「カッとなる」.一体どうなってしまうんだろう.

横断歩道を渡れずに戸惑っているおばあちゃん.見ていたらカッとなったので,おばあちゃんの手を引いて渡った.

ペットのハムスターが死んだ.目頭がカッとなる.

いつもは小食の4歳の息子.でも今日は幼稚園に持っていった弁当を残さず食べて帰って来た.息子も「カッとなってハンバーグを残さず食べたよ」と誇らしげだ.

磯の爆釣王の異名を持つベテランの釣り師の言葉.
「石鯛はなあ,釣り針の先のカッとなった部分に魚を引っ掛ける感じで釣り上げろよ」
釣り人なら誰でも知っている有名な言葉だ.

千利休が使ったといわれる茶碗.茶碗のふちが,カッとなっているのが非常に趣き深い.
薄くスライスしたハムをチーズに載せて,3分間カッとする.これで「ハムのプロヴァンス風」の出来上がり.急なパーティーなどに最適の一品です.

ネガティブなカッとが蔓延る世知辛い現代.これからの人生ポジティブにカッとしていきたい.

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February 01, 2006

準備中

閉まっている店には「準備中」と書かれた札が掛かっていることがある.時々,本当に中で準備しているのかと疑問に思う.本当に準備をしているのだろうか.何か別なことをしているんじゃないのか.準備していないのなら,素直に別な札を出しておいてもいいと思う.

不味いと評判だったカレー屋が,最近急に美味しくなった.そんな店に掛かっているのは「インドの秘術中」の札.扉の隙間から聞こえる怪しげな音楽と笑い声.中で行われているインドの神秘.

米屋の店先に掛かった「パン中」の札.米屋だけど,パンも好き.いや,むしろ,どちらかというとパンの方が好きかもしれないという米屋の葛藤が生み出した札だ.奥の座敷で米屋の歯が,カリカリのフランスパンを齧り,フワフワの食パンを噛み砕く.そして栄養へと変化する.米屋の生きる喜びがそこにある.

微妙なお年頃の娘の部屋のドアにに掛かった「乙女中」.そんなドアの前でうろうろするお父さん.娘は中で何をしているのだろうと心悩ませる.「あなた,あの子もそんな歳なのよ」とお母さんの声に「もうあの娘もそんな年頃になったのか」と寂しくも嬉しい父親の心.
詩を書いたり,星を見て涙を流したり,味噌を練ってみたり.年頃の娘は「乙女中」だ.

父親の書斎の前に掛かった「プルサーマル中」.書斎の中で父親に何が起こっているのだろう.

マーシャル博士の新発明の箱.この箱の中に猿を閉じ込め,「進化中」の札を掛けて一晩待つ.次の日,その箱を開けると猿が人になって出てくる.マーシャル博士の自信作だ.

意外に便利な札.これから生活に入り込んでくるのは間違いなさそうだ.

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