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August 31, 2006

ハンカチ物語

新聞の番組の見出しや電車の中吊り広告で見る「ハンカチ王子」が気になる.最近は忙しくて家でゆっくりテレビを見るなどということもあまりないし,ハンカチ王子が取り上げられているような雑誌を読むこともないので,ハンカチ王子が何かを知る機会がない.ネットで検索してみれば分かるのだろうが,ハンカチ王子に負けたような気分になるのでやりたくない.ハンカチ王子,何だかよく分からないが,ハンカチでしかも王子だ.只者ではないことだけは確かだ.「ハンカチ王子」が使われる文脈から,何やら甲子園に関係ありそうだということは分かっている.魔物が住むと言われる甲子園,ハンカチ王子も住んでいたとかそういうあれなのだろうか.
いや,やはりハンカチ王子というくらいだ,きっと王様とか王国とか,そういうやつなのだろう.


時代は古代ヨーロッパ,現在のイタリアの片田舎に位置する小さな国での話.

「ハンカチよ,もうお前もいい歳になった.今回の兵の指揮はお前に任せることにした」
隣国への侵略をハンカチ王子に命じるナプキン大王.しかし,争い事が嫌いなハンカチ王子.戦争なんかには行きたくない.
「ぼっ,僕には無理です.戦争とかそいうの苦手ですし……」
しかし,ナプキン大王は,そんなハンカチ王子を許さない.
「ええい,何を情けないことを言っておる.今回はお前が指揮を執って攻めるのだ.王の命令に背くとはどういうことか分かって言っておるのだな」
「は,はい.分かりました」
戦争に行くのは嫌だが,罰を受けるのはもっと嫌だ.ハンカチ王子は渋々了承する.

---戦争前日.
「やっぱり,僕には戦争なんて無理だよ」
自分の部屋で涙を流すハンカチ王子.明日のことを考えただけで冷や汗が出てくる.流れる涙や汗は,愛用のハンカチでは拭いきれる量ではない.
「お兄ちゃん,これで涙を拭いて」
そんなハンカチ王子にロリエをそっと差し出す妹のロリエ姫.ハンカチ王子の汗を吸収し,涙を吸収するロリエ.そして一度捕まえた水分は放さない.多い日も頼れる安心感.
「ロリエ,ありがとう.泣いてても仕方ないよな.お兄ちゃん,明日は勝ってくるよ」
「うん,お兄ちゃん.がんばって来てね」

この戦争でハンカチ王子は命を落とし,ロリエ姫は亡き兄に代わってナプキン2世と名乗りナプキン大王の後を継ぐことになる.この国こそ,後のローマ帝国である.

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August 27, 2006

腸内臓級

甲子園でお馴染みの言葉といえば「超高校生級」だ.最近あまり聞かない気がする.近頃は使われなくなったのだろうか.ちょっと呼ばれてみたい「超高校生級」の称号.既に高校生でなくなって久しいから「超高校生級」は諦めるとして,「超……級」なる称号は他にないのだろうか.

「えー,みんな,集まってくれ」
昼休み明けに部長が営業2課のメンバーを集合させる.
「今日からみんなと一緒に働く新入社員の河北君だ」
「河北です.皆さん,よろしくお願いします」
「ちなみに,河北君は超係長級の大型新人だ.みんなよろしく頼むぞ」
超係長級の河北君が加わった営業2課.仕事の幅が広がりそうだ.

街でカレー屋を営むインド人のサタジットさん.今では日本の小さなカレー屋のオヤジとして納まっているが,本国インドでは超インド人級の人として有名だったそうだ.
「故郷のインドでは,むしろコスタリカ人だったネ」
と語るサタジットさん.インドを超え,遥か彼方のコスタリカへ.サタジットさんの懐の広さ.

近所の丸和さんが飼っているペットの柴犬のペセタ.丸和さんによると,ペットショップで超柴犬級だと言われて買ったとのこと.「ニャン」と鳴き,魚をくわえて逃げるペセタ.丸和さんは大切なことを見落としている気がする.

超インド人級あたりが狙いどころだろうか.

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August 23, 2006

秘伝のタレおかわり

注ぎ足して使う秘伝のタレというものがある.二年くらい前に,秘伝のタレについて書いたことがあると思うが,今でも気になっている.毎日少しずつ注ぎ足して使うタレ.タレ以外にも応用が利くのではないだろうか.

東京神田にあるサラリーマンやOLに人気の創業80年の定食屋.今日も昼休みの一時の楽しみを求めて勤め人が集まる.
「おじさん,ごちそうさま.やっぱり,この店はご飯がうまいよね」
「ありがとうございます」
この店のご飯のおいしさ秘密は,初代から注ぎ足し続けてきたご飯だ.客がどんぶりに残したご飯に,ご飯を足して次の客に出す.どんぶりのそこに溜まっているのはエビチリの汁,天丼の汁などのブレンド汁.80年の年月をかけて客達が作り上げた魅惑の汁だ.
「やっぱり,店とお客さんが一緒に味を作り上げるのが,本当の味じゃないかな」
そう語る主人の笑顔の晴れやかさだ.

照りつける太陽.炎天下で部活に励む運動部の高校生達.そんな運動部員達の定番といえば,流れる汗を注ぎ足して作られる運動汁だ.高校生のエキスを凝縮した運動汁.若さのほとばしりだ.

今年で90歳を迎える元気な隣のおじいちゃん.健康の秘密は,ある意味タレ的な物を若い時から毎日少しずつ継ぎ足して使うことらしい.まだまだ元気なおじいちゃん.この先200年は生きると張り切っている.

上野動物園で飼育されている熊.実は,その中の一頭は開園から注ぎ足しながら使っている.100年以上の歴史を持つ熊だ.熊が足りなくなっては注ぎ足し,足りなくなっては注ぎ足し.一頭の熊を大切に大切に注ぎ足しながら飼育する動物園.戦時中に,別な動物や品質の悪い粗悪な熊が混じってしまい,正直,ちょっと熊らしくないところもあるが,動物園の愛情の賜物だ.

自分にとって注ぎ足すタレとは何なのか.人生というタレ探しの旅は,今始まったばかりだ.

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August 19, 2006

ド肝を抜く.ド肝を抜かれたことがない私としては,何が起こるのか分からない.抜かれた人はどうなってしまうのだろう.いや,そもそもド肝とはなんだろう.

「すみません,ド肝の盛り合わせ一つ」
焼肉屋の定番メニュー,ド肝の盛り合わせ.シコシコとした食感のものあり,サクサク,をした食感のものあり,爽やかな食感のものあり.各種ド肝が盛られて見た目にも楽しい.何もつけなくても甘酸っぱい味に女性に大人気のメニューだ.

河童が狙う尻子玉.ぬらりひょんが狙うド肝.水中でも陸上でも狙われる人間.妖怪の脅威はいつでも存在する.

「お寿司の配達お願いします.特上を4つ.子供がいるので1つはワサビ抜きで,あと,おじいちゃんがいるので1つはド肝抜きでお願いします」
子供に優しいワサビ抜き,老人に優しいド肝抜き.優しさや思いやりが心にしみる.それが人間じゃないでしょうか.

「またジャイアントとツネ夫に馬鹿にされたよ」
自分の部屋に駆け込むノビ大.
「何とかしてよ,ドギモン」
「全く,ノビ大君は仕方ないなあ」
ノビ大の家に居候するロボット,ドギモン.お腹の肝袋から道具を出すノビ大君の頼もしい味方だ.

僕らの掛け替えのない地球は一つ.そして掛け替えのなさではド肝も一緒.地球もド肝もなくしちゃいけない.だって僕らはいつでも宇宙船ド肝号の乗組員なんだ.

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August 16, 2006

豚追い祭

ねぶた祭り,現在でいうならエレクトリカルパレードのようなものだろうか.ねぶた祭りは「らっせーら,らっせーら」という掛け声,エレクトリカルパレードは何だかよく分からない派手な音楽という違いはあるものの,光る張り子の山車がネリネリと通りを行進する点は一緒だ.
ところで,エレクトリカルパレードで園内を引き回される山車をエレクトリカルと呼ばないのだが,ねぶた祭りで引き回される山車はねぶたと呼ぶのだろうか.ひょっとしたらねぶたと呼ばないんじゃなかろうか.とすると,ねぶたってのは何だろう.

体の傷にできるのが「かさぶた」.心の傷にできるのが「ねぶた」.
甲子園で敗れて涙を流す球児達.体中は激しい試合で傷だらけ.球児達が痛がっているのは,体のかさぶた,心のねぶた,どっちなのだろうか.

企画部のネブ田部長.町内会で名誉町民に選ばれたらしい.来週は,町内の広場でちょっとしたネブ田祭をするとのこと.部下達をネブ田祭に誘っているが,未だに来てくれる人がいないらしい.

裏の畑で採れたてのねぶた.細かく刻み,納豆に入れる.納豆のネバネバとねぶたのネブネブがからみあって,すごくネバネブだ.
「やっぱす,納豆には,ねぶただべなあ」
豪雪地帯のスタミナの源.東北地方の人たちはこれを食べて厳しい冬を乗り切る.

母を訪ねて三千里の主人公マルコ,誰も訪ねないネブタ.二人の間には何の関係もない.

かなり強引だと思う今回の更新.どう考えてもあの光る張り子の山車がねぶただと思う.

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August 11, 2006

光化学

最近,久しぶりに光化学スモッグ注意報を聞いた.以前と比べると光化学スモッグが減ったような気がする.私が,小学生の頃は,頻繁に予報や予告もなく突然「光化学スモッグ注意報が出されました」のような放送が流されていたように思う.
この光化学スモッグというのは何だろう.特に天気が変化するというようなことも,煙的なものが出るというわけでもなく,突然注意報が出される.目に見える変化が何もないと,何となく納得できない.そもそも光化学スモッグとは何なのだ.

ドイツのある田舎の村.その村に昔から伝わっている秘伝のソーセージがある.光化学スモッグで一日かけてじっくりと燻したスモッグソーセージだ.外はパリパリ,中はジューシー.しっかりと漂う光化学スモッグの香ばしさ.ドイツ人なら誰もが食べたがるソーセージだ.

母さんが夜なべして編んでくれた手袋.木枯らし吹いちゃ冷たかろうて,せっせと編んだだよ.故郷の便りは届く.光化学スモッグの匂いがした.

チベットの珍獣,沼ガゼル.普段は大人しいが,身の危険を感じると爪の間からトロッとした光化学スモッグを出して逃げるという.

「いらっしゃい,そこのお嬢ちゃん,一つどうだい」
「うわーい,おいしそう.お父ちゃん,あれ買ってよ」
縁日でお馴染みの光化学スモッグの屋台だ.
「しかたないなあ.一つください」
「ありがとうございます」
屋台のオヤジが割り箸に絡められた光化学スモッグをお嬢ちゃんに渡す.ニコニコするお嬢ちゃんにお父ちゃんも大満足.
お祭りの定番,ちょっぴり甘しょっぱい子供に人気の食べ物,光化学スモッグだ.

名前は悪そうな光化学スモッグ.付き合ってみたら意外といいやつというのは,人間でもよくあることだ.

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August 08, 2006

クールなあいつ

暑い夏の日に思い出すのは省エネスーツのこと.省エネスーツとは,数年前にちょっと話題になった半袖のスーツだ.当時,首相の人が得意げに着ていた.現在,省エネだとか,エアコンの温度を1度上げようとか,クールビズだとか言われているが,省エネスーツに触れられることがない.どうしてしまったのだろう.あのスーツは.数年前の話題になったとき,それなりの数が作られてそれなりに売れたのではないかと思うだが,一体どうなってしまったのだろう.

青森県の山中,省エネスーツの隠れ里がある.省エネスーツ達は,人目を忍び,外界との接触を絶った生活を送っている.畑を耕し,川や山の恵みで生活.自然に感謝し,人に感謝する満ち足りた日々.省エネスーツの里,日本の原風景がここにある.

暑い夏の日,川原の石をそっと裏返してみる.石の裏にびっしりと虫のように貼り付いている省エネスーツ.太陽の光に驚き,クモの子を散らすように一斉に逃げる省エネスーツ達.鳥肌が立つ瞬間だ.

最近CD売り上げランキングの上位に現れ始めたアーティストの二人組.向かって右側の彼は,現在解散したグループ「省エネスーツ」のメンバーだったらしい.

「目に青葉 山ホトトギス 省エネスーツ」
春の味覚,省エネスーツ.土佐県では,初鰹と並んで人気の食べ物だ.春になると土佐の近海までやってきた省エネスーツを一本釣りで漁師達が釣り上げる.そして,新鮮な省エネスーツは,ぶつ切りにしてミョウガやシソと食べる.ご飯が欲しくなる土佐の郷土の味だ.

「戻ってきちゃ駄目だぞ」
少年は,省エネスーツが入ったカゴの扉を開く.
この省エネスーツと少年との出会いは2年前.少年が,巣から落ちて怪我をした省エネスーツを保護したのがきっかけだった.それから,少年は怪我の手当てをし,育て,餌の獲り方まで教えた.今では,省エネスーツと少年は,生き物として心が通じ合っているといっても過言ではない.
しかし,少年は人間であり,省エネスーツとは住む世界が違う.省エネスーツは自然で生きなければならないのだ.そして,今日は省エネスーツを自然に還す日.別れの日だ.
「それっ,飛んで行け」
「キューンプリプリ」と省エネスーツは一声鳴き,空へ向かって飛び立つ.
「ありがとう,省エネスーツ」
少年は,大空へと去って行く省エネスーツを何時までも見送ったのだった.

本来なら,省エネスーツはクールビズ真っ只中の現在に生まれるべき子だった.生まれる時代が早過ぎたたため,世にその力を認められなかった天才の一人と思う.

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August 02, 2006

モルタル放送

地上波デジタルのワンセグ.地上波デジタルの帯域をちょっと使って放送を配信するやつだ.携帯電話やパソコンにワンセグ放送の受信機能が付いたものがあるが,いまいち普及しているようには思えない.これからの普及のためには,デジタルとかデジタルじゃないとか分かりにくい部分よりも,身近なワンセグをアピールするところから始めたらいいんじゃないかと思う.

埼玉県の川越に住んでいるおじさんが夏休みに里帰り.お土産は勿論「川越銘菓ワンセグ餅」.
「わーい,おじちゃんのお土産は今年もワンセグ餅だー」
子供達が歓声を上げる.口の中できな粉と甘いワンセグがまったりとしたハーモニーを奏で,サクサクとした食感が爽快感を与える.お子様からご老人まで,安心して食べられるお菓子です.

「中村屋っ」,「中村屋」,「中村屋」.
歌舞伎座に屋号の掛け声が響く.今日の歌舞伎の演目は「義経千本桜ワンセグ」.400年ぶりに演じられる幻の演目だ.物語の内容が現代まで伝わらずに消滅したという話だが,最近になって記録された書物が発見されたという.
頼朝と義経のちょっぴり甘酸っぱい兄弟物語.観客達の胸がちょっぴりキュンとなる.

幕張メッセで開催中の恐竜展.展示の目玉は,世界最大級のスーパーサウルスの標本とワンセグの実物化石.ジュラ紀には,ちょっとした生物として評判だったワンセグが幕張メッセで蘇る.現代でも通用するちょっとした生物感が味わえる.ワンセグに詰まった太古のロマン,時代の息吹を感じるイベントだ.

青春時代の僕達みんなが持っていた夢とワンセグ.「青臭い」と,夢とワンセグを大人達から馬鹿にされた中学生時代.そして,そんなつまらない大人にはなるまいと誓った高校生時代.夢とワンセグについて親友達と語り合って夜を明かしたあのアツかったあの夏.あの頃の夢とワンセグ,どこかで失くしていませんか.

急に重い物を持ち上げて椎間板ヘルニア.ぎっくり腰とも呼ばれている.一方,急に複雑な物を持ち上げてなる椎間板ワンセグ.まったり腰とも呼ばれている.

ワンセグ放送.むしろ放送じゃない部分に本質がある.

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