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April 23, 2007

デジパー

最近,美容院の前を通ると「デジタルパーマ」と書かれているのを見かけることがある.デジタルパーマってのは何のことだろう.何だか知らないが,デジタル化の波がパーマネントの世界にも押し寄せて来たということだろうか.
婦女子の人は「あれ,デジタルパーマかけた?」「そうなのちょっとデジタルなのー」とおしゃれ談義に花を咲かせたり,CanCamの「デジタルが決め手」特集に注目したりするのだろうか.
今までのパーマネントとは一味違うのだと思う.

昔は仕事ができて有名だったが,コンピュータなどが苦手だったことが原因で出世街道から外れてしまった定年間近の係長.そんな係長が突然デジタルパーマをかけてきた.
「君達,コンピュータの事は何でも聞いてくれたまえ」
係長がデジタルパーマで欠点を克服.一転してコンピュータの権化と化す.出世街道へ軌道修正.社長の椅子をダブルクリックだ.眠れる獅子が定年間近で目覚める.

高校では中学生までの自分と違う自分になろうと,入学式の前にデジタルパーマをかけた.
自己紹介でも大好評.
「凄い,デジタルっ子」,「頭が未来的」.
女子生徒からの賞賛の声.
「お前のデジタルぶりには敵わない」,「おしゃれ泥棒現る」.
男子生徒も脱帽だ.
クラスメイト達の「デジタル!デジタル!」の掛け声.新しい自分の発見に流れる涙.
デジタルパーマで本当の自分を見つけたよ.

娘は家出で2ヶ月帰って来ない.息子は自分の部屋から1年間出てこない.妻はちょっと出かけてくると言って出て行ったまま1週間経過.そんな家族に悩むヒロヒサ(54歳).悩んだ末,思い切ってデジタルパーマをかけてみた.
「パパ,格好いいよ.もう家出はしないね」と娘が帰って来た.
「親父,俺,社会に出てみようと思うんだ」と息子が部屋から出てきた.
「あらー,素敵になったじゃない.私たちもう一度やり直せるんじゃない」と妻が帰宅.
家族に笑顔が戻る.デジタルパーマが巻き上げるのは家族の絆.

将棋の最高峰のタイトル戦,竜王戦.その中でも歴史にのこる対局,58回竜王戦.
史上最強と呼ばれた竜王と挑戦者が火花を散らす.竜王決定七番勝負の七戦目.竜王を追い詰める挑戦者.
「王手」
挑戦者の桂馬が王手をかける.その時,竜王の王将の駒にかけたデジタルパーマが風になびいたという.

パンドラは好奇心に負けて,神々に決して開けてはいけないと言われて渡された箱を開いてしまった.その箱から,病,犯罪,悲嘆など様々な災いが飛び出した.パンドラは慌てて閉めたが一つを除いて全て飛び去った後だという.一つ残されたものはデジタルパーマ.こうして人々は災いに見舞われながらも,デジタルパーマだけは失わず生きていくことになった.
---ギリシャ神話「パンドラの箱」

押し寄せるデジタル化の波.波間に見えるのはデジタルパーマという希望の光.

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April 17, 2007

ボヘミ

モルダウの歌の一節に「若人さざめくその岸辺」とある.若人は岸辺で何をしているんだろうと時々思う.
個人的には中学生の時の合唱際で歌った「モルダウ」.全く知らないモルダウという川,何をしているか分からない若人を想いながら歌った記憶がある.中学生時代は昔のこととなってしまったが,今でもさざめく若人達への疑問は残っている.さざめく若人達は何をしているのだろう.大人になった今,改めて思う.

ボヘミアの川,モルダウの春の風物詩といえば産卵のためにモルダウを遡上するサザメキの群れだ.
それを見たチェコ人達は呟くのも風物詩だ.
「オー モウ ソンナキセツニ ナッタノカ」
桜の花びらが舞い落ちた川面の下を泳ぐサザメキの群れが春の訪れをチェコ人に告げる.
松尾芭蕉もチェコを訪れた時に有名な句を詠んだという.
サザメキを 集めて速し ボヘミアン
 松尾芭蕉
そういえば,新巻サザメキはチェコの名産品だ.

「すみません,タバコを吸っても構いませんか」
「ええ,構いませんよ」
気を使いつつも,タバコを吸う喫煙者.
「すみません,さざめいてもいいですか」
「私,さざめかれるの苦手なんです.御遠慮願えませんか」
気を使いつつも,さざめけない若人.

料理番組の一場面.
「先生,大根と油揚げを切り終わりましたけど,どうするんですか」
「この銀杏切りにした大根と細切りにした油揚げをですねえ」
「はい」
「20分さざめいてください.こちらに既に20分さざめいたものを用意しました」
「うわー,先生,これは美味しそうですねえ」
「大根と油揚げのさざめき.若人から老人まで安心して召し上がれます」
大根と油揚げのさざめき.ご飯が欲しくなる逸品だ.

祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響有り.沙羅双樹の花の色,盛者必衰の理を顕す.奢れる人も久しからず,只春の夜の夢の如し,猛き者も終には亡ぬ,偏に風の前の塵に同じ.若人さざめく.
「平家物語」より

「モルダウ」,チェコ語では「ヴルタヴァ」.胃の中の物を吐き出す音のイメージ.

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April 05, 2007

トラックや蝋

トラックなどの荷台に「私はルールを守ります」,「私は制限速度を守ります」などと書かれたステッカーが貼られていることがある.これは何のメッセージなのだろうか.当然守るべきことであると思うが,わざわざステッカーにして貼り付けているのは,何の意味があるのだろう.自分なりの自己主張だろうか.ならば,ルールを守っているとかではなく好きなことを書けばいいと思う.

「最近息子との関係が微妙です」

「現在ノーパンでズボン穿き」

「とろみのついたコーラ開発中」

「大腸の仕組みを知ってるかい」

「家族って何だろうねえ」

「男子用便器に仏像を飾るとオシャレな仏壇」

「ムツゴロウ動物王国はフィクションです」

トラックの後ろに貼り付けて高速道路を爆走するトラック.息子との関係に悩み,そのままズボンの心地良さを味わい,仏壇代わりに男子用便器を置くトラックドライバー.そして,趣味は大腸の仕組みの研究とコーラの開発.
トラックドライバーなど辞めてしまえと思う.

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