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May 31, 2007

ボランス人

暫く前は時々耳にした「チョボラ」.最近は全く耳にすることはなくなった.ちょっとしたボランティアの略,チョボラ.ちょっとどうだろうと思っていたが,やっぱりチョボラはなかったということだと思う.言葉としてはどうかと思うチョボラだが,チョボラの精神は世の中に生かしていきたい.何とかならないものか.

歩道橋の前に大きな荷物を背負ったお婆さん.
「とう」
という声と共にお婆さんに姿を現すのは「仮面ライダーチョボラ」だ.
「お婆ちゃん,大丈夫かい.荷物を持ちましょう」
「すまないねえ.すまないねえ」
「お婆ちゃん,階段は辛いでしょう,さあ,おぶりましょう」
「ありがたいことだねえ」
負われて流すは婆涙.
「優しい青年だねえ.あたしの孫も生きていたら,お兄さんくらいなんだけどねえ」
「お婆ちゃんさえ良かったら,私を孫だと思ってください」
「ああ,世の中も捨てたもんじゃないねえ」
そんなハートフルな歩道橋に突如現れる世界征服を企む凶悪怪人.
「ごめんなあ,婆さん,怪人退治はチョボラの範囲じゃないよ.怪我とか血が出るのとかやだし」
大きな荷物とお婆さんを放り出し,一目散に逃げ出す仮面ライダーチョボラ.怪人と戦うのはチョボラの範疇外.業務範囲をしっかり定義.範疇外の業務は,我関せずの潔さ.
一人残されたお婆さん.しかし,放り出されたお婆さんの真の姿は,「仮面ライダー知恵袋」.長年蓄えた生活の知恵を利用して怪人をあっさり撃破.亀の甲より年の功.強いぞ仮面ライダー知恵袋.

チョボラ作りの57年の職人は語る.
「沖縄の守り神と言えばシーサーを思い浮かべるかもしれないけど,歴史的にはチョボラの方が古いんだよねえ」
ボラの木から一刀彫で削りだす民芸品,それがチョボラだ.
「私達,沖縄の人はみんなチョボラに守られているんだよ.みんな忘れているかもしれないけどねえ」
「チョ」とは沖縄の方言で「素晴らしき」を意味する.「チョボラ」を直訳すると「素晴らしきボラの木」.琉球王国の時代から庶民の暮らしを,それなりに温かく見つめる守り神チョボラ.
「私から言わせるとね,シーサーが何を守るって言うんだよ.あんな物ちょっと可愛らしい犬じゃないか.だけどねえ,チョボラは違う.このプーンと漂う匂いが災いから守ってくれるんだ」
ボラの木はカレーの匂いがする木として有名な木.もちろんチョボラからはカレーの匂いが漂ってくる.
今日の夕食はカレーかと思ったら,食卓にチョボラが置いてあるだけだったり.チョボラかと思ったら,カレーだったり.カレーの匂いがしたけど,チョボラでもカレーでもなかったり.くしゃみかと思ったらアクビだったり.アクビかと思ったらカレーだったり.気のせいかと思ったら,初恋だったり.初恋かと思ったらカレーだったり.
沖縄の心の故郷,それがカレーだ.

江戸っ子のタツさんがひょいと天ぷら屋の暖簾をくぐる.
「御免よ,裏のご隠居から聞いたんだけどね,チョボラが入ったんだってね」
天ぷら屋のオヤジが,「早速来たね」という顔で答える.
「タツさん,耳が早いね.今日,築地で仕入れたんだ.ちょっとつまんでいくかい」
「いいね.頼むよ」
衣を付けてごま油でカラリと上げ,ゆず塩と一緒に皿に盛って出す.
「タツさん,揚がったよ」
「いや,これは済まないね.今年一番のチョボラだ.初物はやっぱり嬉しいねえ」
からりと揚げたチョボラをゆず塩でつるりと食べる.それが粋で鯔背な江戸っ子流.
「ご馳走さん.勘定は付けといとくれ」
初夏の味覚,チョボラ.生粋の江戸っ子ならば,初物チョボラを食べなきゃ一年過ごせない.

生かしていきたいチョボラの精神.とりあえず,履歴書の趣味・特技の欄に「チョボラ」と書くことから始めたい.

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May 24, 2007

半村日

唐突だが,ハンムラビ法典が気になって調べてみた.「目には目を…」の文句は知っているが他に何が書かれているのか疑問に思ったからだ.調べた結果,ハンムラビ法典は,「まえがき」,「本体」,「あとがき」の三部構成で,慣習法を282条の法としてまとめられたものだということだった.まえがきにはハンムラビの業績,あとがきにはハンムラビの願いが書かれているとのこと.
そんなハンムラビ法典.他にも密かに書かれていることないだろうか.

・自分を主人公にした恋愛小説
・ほのぼのエッセー
・輪ゴムの便利さ
・一休とんち話
・小粋なアフリカンジョーク

「サバンナでシマウマがライオンに襲われたんだ.そこでシマウマは何て言ったと思う」「何て言ったんだい」
「『俺はシマウマだから喋れない』って言ったのさ.ハッハッハ」
ハンムラビ法典を解読したものの,笑いどころが全く分からない小粋なアフリカンジョークにがっかりする考古学者.ハンムラビ法典,創刊号はバインダーが付いて280円だ.

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May 22, 2007

メタボリックエクスプレス

メタボリック症候群.何やら最近言葉をよく聞く.職場でも「メタボリックでさあ……」のような会話を聞くことがある.メタボリックに詳しくない自分はいつも「大変ですねえ」のようなことを言ってごまかしてしまうのだが,メタボリックになると具体的にはどうなってしまうのだろう.

接待ゴルフ.接待先の部長のナイスショットに掛け声を.
「ナイスショット,そしてナイスメタボリック」
できる接待ビジネスマンのできる掛け声.意外な言葉に部長もちょっぴり顔を赤らめる.嬉し恥ずかし接待ゴルフ.

あの有名な子供番組「開け!ポンキッキ」に新しい仲間が加わった.
ガチャピン,ムック,メタボリック.
新メンバーの加入により,ガチャピン,ムックの関係が複雑に.仲良しだけの時代は終わりを告げる.

梅雨入り前の季節の風物詩といえばメタボリック.産卵のために川の浅瀬に集まったメタボリックを釣り上げる.新鮮なメタボリックを串に刺し,塩を振って豪快に火で焼き上げる.
入梅前の短い期間の晴れた空の下,気の合う仲間と焼きたてのメタボリック.アウトドアの醍醐味,メタボリックの丸かじり.俺とお前とメタボリック.日本人に生まれて良かった.

リストラ寸前の父が一念発起.猛勉強の末,メタボリック2級の免許を取得.仕事の幅が広がったそうだ.

メ・タボリック(1413-1485)
ルネサンス期のイタリア人.ムーンウォークの考案者として有名.1450年に教皇ニコラウス5世の前で踊ったムーンウォークは救世主の再来として絶賛された.また,ピサの斜塔が傾いてることに初めて気が付いたとも言われている.

何やら少し楽しそうなメタボリック.メタボリック症候群になったときには高らかに宣言したい.

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May 17, 2007

土俵の穴

相撲の土俵入りの型に「雲竜型」と「不知火型」がある.私が知る限りはこの二つだけなのだが,実は他にもあるんじゃないかと思っている.相撲の土俵入りの型として,名前が格好よくてそれなりに強そうな型をやっているだけなのだと思う.力士達は相撲の普及のためにも「雲竜型」,「不知火型」以外の型も積極的に活用していけばいい.

・初恋型
自分がマワシ一つでいることにちょっぴり恥じらい頬を染める.ちょんまげを結っていることに恥ずかしがって俯いてみる.化粧マワシに好きな人の名前を書いてみる.いつもは力強い力士が今日は何だか甘酸っぱく土俵入り.
土俵入りの最後に高三夏を思い出してそっと涙を流す.

・安心特約型
三大成人病になっても力強くサポート.そして,もしもの場合も残された家族をしっかりサポート.大地には力強く四股を踏み込むが,家族には優しく四股を踏み込む
世界で戦っているのは自分一人だけじゃない.共に戦ってくれる仲間がいる.

・自由型
「一旦四股から離れてみたらどうだろう」という提案を元に考案された型.土俵入りの型だが,四股は踏まない.土俵入りで思うままに自分を表現.
友達を土俵に招いてホームパーティーを開いたり,チーズを載せたリッツをつまんでみたり,カットフルーツに手を伸ばしてみたり.
楽しく時間を過ごすといつの間にか土俵に上がっている.そんな力士の夢が現実に.

・俺があいつであいつが俺で型
土俵から転げ落ちる二人の力士.
「いてててて」,「いたた」
「あれ,何かおかしいぞ」,「あら,何か変ね」
「もしかして,俺達」,「あたし達」
「「体が入れ替わってる」」
二人の心と体が入れ替わる.俺があいつであいつが俺な土俵入り.
「マワシを巻くとき,あたしの体を絶対見ないでよ.目をつぶっててよね」
「誰がお前の裸何か見るかよ」
「じゃあ目をつぶっててもいいわよね」
とか,聞いている方が恥ずかしくなる会話を交わしたり,
「ツッパリはもっと力強くやれよ.この取組は落とせないんだよ」
「こ,こうかな」
「違う,こうやって掌を強く押し出すんだよ,ほら」
「きゃあ,痛ーい」
「あっ,ごめん」
そんな青い春体験みたいな会話が交わされたり.最後に力士同士お互いちょっと気になる存在になったり.最後は体が戻ったり戻らなかったり.

力士達の土俵入り.もう相撲を取らずに,土俵入りだけでいいのかもしれない.

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May 10, 2007

脳と言える日本人

脳トレ.脳のトレーニングをするジャンルのゲームだ.ふと思ったのだが,脳だけトレーニングしていいのだろうか.人間の体は,バランスが重要だと思う.脳だけトレーニングして,他はトレーニングをしない.右腕だけトレーニングで筋肉を付けて,左腕は弱々しいままの如しだ.脳だけではなく,他の部分のトレーニングも重要だと思う.

ゴールデンウィーク開けの学校.いつもオシャレで,クラスで一番人気のコズエちゃん.ゴールデンウィーク開けの彼女の鼻は一味違う.
「コズエ,鼻が凄くない」
「鼻がヤバイよ」
「超かわいい」
女子生徒達,男子生徒の鼻を称える声に答えるコズエちゃん.
「あたし,ゴールデンウィーク中,鼻トレやったの」
脳トレの先を行く鼻トレ.今までの鼻では満足できない人たちの心に響く福音.オシャレなコズエちゃんは,いつだって時代を先取りだ.

食が細い息子(3歳)を心配するヒサシゲ(35歳).そんな息子のためにヒサシゲが買ってきたのは今流行りの『腸トレ』.息子にやらせてみたら,腸の栄養吸収力がぐんぐんアップ.食欲も増進,留まるところを知らない.
「パパ,全ての物がおいしいよ」
腸トレで健康息子.息子の通った後には草一本生えない.

最近,舌打ちが多い北村部長.健康のため,妬む心のトレーニング,妬トレを始めたらしい.部下の失敗に舌打ちし,社長の職場視察に舌打ち,血尿に舌打ち.健全な妬み心を育てる妬トレ.「チッ」と舌打ちの音が社内にに響く.

曾お祖母ちゃんの名前は「山下トレ」.しかし,戸籍上の名前は「山下トレーニング」だったらしい.グローバルな時代の到来を見越し,トレーニング時代に対応した名前.我が家系で明るく輝く誇らしい名前だ.

海に沈む夕日に向かって叫ぶ.
「トレーニング」
涙が出てくるのは何故だろう.

脳という字は,月,ツ,凶の組み合わせ.だからどうだということもない.

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May 08, 2007

蒼ざめた馬

「どこの馬の骨とも分からない」という言い回しがある.何故『馬の骨』なのだろう.初めてこの言葉を使った人は,結構適当に『馬の骨』を使ったのだと思う.馬である必要もないし,骨である必要もないはずだ.『馬の骨』の代わりには何を使ってもいいと思う.

・象の鼻
・アルパカの皮
・猿の素早さ
・弟の思春期
・カレーの匂い
・ガンジスの流れ

どこの象の鼻とも分からない新入社員が入社して来たり,娘が「この人と結婚したいの」とどこの猿の素早さとも分からない男を連れて来たり,得体の知れないガンジスの流れの転校生が来たり.
何だか分からないという点では,馬の骨もガンジスの流れも大差なし.

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