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July 31, 2007

Bon踊り

盆踊りって何だろう.よく考えてみると,理解できない風習だと思う.夏のある夜に,広場に大勢の人が集まり,中心に建てられた櫓の回りで輪になって奇妙な動きで踊る.しかも,浴衣なる謎の民族衣装を身に纏っている.その上,その時期は先祖の霊が帰ってくるというのだ.
何も知らない外人が見たらどう思うだろう.悪魔を呼び出す儀式にも見える.そんな集会を見てしまったら,恐れ慄くだろう.
しかし,よく考えるとおかしな風習は盆踊りだけではないと思う.

・茶道でお茶を飲む前に2回茶碗をまわす習慣.
千利休が始めたといわれる作法だ.一回目はお茶でもてなしてくれる人へ感謝の気持ちを込めてグルリと回し,二回目は故郷で暮らす父と母を想いグルリと回す.
茶碗の中の抹茶に映し出されるのは父母の顔だ.
「田舎の父さん,母さん,達者で暮らしているかなあ」
思い浮かべてお茶を一口啜り,涙を流す.抹茶の香りは,ふるさとの匂いがした

・マグロ漁師の大トロ踊りの習慣
青森県のある村の漁師達は,出向前に大トロ踊りを踊る.
漁船に積んだマグロ,港で出迎える妻と息子.「お前もついにワシを抜いたか」と微笑む父.そんな場面を踊りで表現し,大漁旗を掲げて褌一枚で踊る.マグロよいつもありがとう.食べてくれる消費者のみんなありがとう.
日本三大奇祭の一つだ.

・小便器の前で用を足す前のかしわ手の習慣.
女性にはなじみがないと思うが,男性にはお馴染みの習慣だ.男子便所の小便器の前で,用を足す前に二回手を打ち,漏らすことなく間に合ったことをトイレの神に感謝する儀式.年配の方の中には,5円玉を小便器に投げ込む人もいるという.そして,用を足した後は力士が懸賞金を受け取るときのように,手で小便器の前で「心」の文字を書き水を流して振り返らずに去る.日本男児の美しい伝統だ.
父から子へ,子から孫へ.伝統は脈々と息づく.

密かに来日し,盆踊りを目撃してしまったアメリカ人のダニエル氏.
「ああっ,日本人がおかしな儀式をしている.本国へ知らせねば」
その3年後,日本に艦隊がやってくることになる.
1853年 黒船来航

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July 24, 2007

針 歩太

ハリー・ポッターの最終巻が出たらしい.これでハリー・ポッターは完結するらしいのだが,本当におしまいなのだろうか.「ファンの期待に応えて」ということで続編が出たりしないのだろうか.個人的には「ハリー・ポッターと……」なる話がまた出るような気がする.

・ ハリー・ポッターと謎の肉片
・ ハリー・ポッターと酸っぱい水
・ ハリー・ポッターと夢街小路
・ ハリー・ポッターかと思ったらハミー・ポックー
・ ハミー・ポックーとハミ・ジロウ
・ ハミ・ジロウと細腕繁盛記
・ 専業農家・村上源次郎と農作物
・ 主婦・トミコと家族の健康
・ 酪農家・北里久蔵と牛の成長

ローリング先生の次回作「酪農家・北里久蔵と牛の成長」にご期待下さい.

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July 20, 2007

弟子 リットル

小学生のときに習ったが,それ以来全く使わない単位,デシリットル.リットルに10分の1を意味する接頭語デシが付いた単位だ.10デシリットルで1リットルと繰り返し習ったデシリットル.あのときの勉強は一体何だったのだろう.500ミリリットル入りのペットボトルとはいうが,5デシリットル入りのペットボトルとはいわない.
小学生の間で持て囃されるデシリットル.しかし,社会では全く相手にされない.これではデシリットルがかわいそうだ.デシリットルの有効な使い方はないだろうか.

・青少年の思春具合を測る新たな単位として
・小脇に抱えてオシャレのお供に
・出窓に飾り小粋なインテリアとして
・刻んで豆腐にちらし気の利いた薬味として
・神棚に奉り一家を守るプチ神様として
・憧れの先輩の下駄箱に入れるラブレターとして
・『放課後5時に体育館裏で待ってます』
・息を切らして走ってくる先輩
・高鳴る鼓動
・勇気を出して初めての告白
・「先輩,私,先輩のことが好きです」
・「実は,俺も前から気になっていたんだよ」
・こぼれる涙
・この二人こそ後のライト兄弟である

恋する乙女は毎晩あの人のことを想ってマクラを濡らす.1デシリットルの涙でマクラを濡らすのだ.

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July 12, 2007

形態電話

今さらだが,携帯電話を携帯と略すのは変だと思う.散々いろいろなところで話に上っていることは分かっている.
「携帯,家に忘れた」,「携帯失くした」と聞くと,何なんだと思う.携帯しているのかしていないのか,はっきりしてくれという気になる.
問題は,「携帯」という略語に「電話」の要素が入っていないところにあるのだろう.第一,「携帯」では「携帯電話」を指しているとは限らない.

「ああ,携帯忘れたよ」
上司に仕事の失態を責められているときにそう思うのは,ビジネスマンの北村さん.いつもはワイシャツの胸ポケットに忍ばせている携帯ハムスターを家に忘れてしまった.
上司に怒られているとき,嫌な取引先の接待中,妻に給料の額で嫌味を言われたとき,そんなときに北村さんは胸ポケットの携帯ハムスターを覗き込み,その小動物ぶりに心を癒す.胸ポケットを覗き込まない振りして覗き込んで携帯ハムスターを脅かしてみたり,覗き込む振りして覗き込まなかったり,覗きこむ振りして詩を書いてみたり,詩を書く振りして味噌を醗酵させてみたり.
北村さんの胸ポケットに存在する確かな小動物感だ.

いつもは紳士で通っている課長.今日は携帯忘れたらしい.
「おい,そこの給料泥棒,企画書を30秒で仕上げてプレゼンの準備しとけって言ったのにできてないじゃないか.それからそこのメス豚,この書類,手書きでコピーしとけって言っただろ」
課長が忘れた携帯ナイスミドル.いつもの紳士が今日は荒くれ者.

「やばいなあ,携帯忘れちゃったよ」
満員電車に揺られながら思う.いつも背広の内ポケットに入れている携帯ワカメを家に置き忘れ.磯が恋しくなったとき,ちょっとミネラルが足りないと感じたとき,内ポケットからそっと携帯ワカメを取り出し,小粋に口へ放り込む.口の中に溢れる磯の香りと確かなミネラル.生ワカメの食感がうれしい.しかし,今日はそんな携帯ワカメが味わえない.世知辛い現代社会という大海原を漂う携帯ワカメだ.

駅ですれ違う男子高校生にキュンとする女子高生.
「あれ,胸がキュンとするけど,恋じゃない」
そんな女子高生は携帯忘れ.どこかに携帯恋心を置き忘れてきてしまった.大切な携帯を忘れた女子高生.
あなたはそんな携帯どこかへ忘れてませんか.

自分自身の携帯電話を見つめて思う.誰からも電話がかかって来ないこの携帯電話,ひょっとして壊れているんじゃないのか.

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July 03, 2007

アメ・トムチー

「飴と鞭」.飴と鞭ではバランスが悪いと思う.確かに飴をもらうのは嬉しいと思うが,鞭で打たれるのは嫌だ.飴がもらえるのなら鞭くらい我慢してもいいかなという気持ちは全くない.鞭で打たれるのなら飴はいらない.そこに迷う余地はない.個人的には飴を貰う嬉しさを+1とするならば,鞭で打たれる辛さは-30くらいだ.プラスとマイナスが吊り合っていないと思う.飴と鞭を使い分けられても,人の心はコントロールできない.原因は,鞭が痛すぎることにあると思う.鞭を別なものに置き換えれば釣り合いがとれるのではなかろうか.

・飴とあの胸の痛み
・飴と卒業文集
・飴と中二の夏
・飴と夏の日差し
・飴とセイタカアワダチソウ

飴を貰う代わりに卒業文集の自分の作文を読んで悶えたり,胸の奥をキュンとさせたり,中二の夏を思い出して涙したり,セイタカアワダチソウを見て日差しの強かったあの夏の日を思い出してみたり,飴の味以外で甘酸っぱさを感じたり.ちょっと心の隙間を針でつついた痛みだ.
逆に飴ではなく,飴よりももっと嬉しいもので鞭の痛みをカバーしても良いのかもしれない.

・山海の珍味と鞭
・大地の恵みを鞭
・豊作の秋と鞭
・今年は盛大に村祭りと鞭
・年貢も免除らしいと鞭

鞭打たれて味わう山海の珍味.鞭で打たれる代わりに大地の恵みを享受し,豊作の秋を村祭りで祝う.しかも噂によると領主様は今年は年貢を免除してくれるらしい,鞭は打つけど.
こうなると,二つのもののバランスが取れていれば,飴や鞭に囚われる必要はないと思う.

・肉と野菜
・一休さんと吉四六さん
・ナイスミドルとナイスショット
・ラーメンと半ライス
・団地妻と昼下がり

飴と鞭を使い分ける代わりに,肉と野菜を使い分けたり,一休さんと吉四六さんを使い分けたり.ナイスミドルがナイスショットを打ったり.
人の心を掴むために使い分けるべきは,ラーメンと半ライスに答えがあるのではないでしょうか.

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