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March 27, 2008

ミッドフィルハーモニー管弦楽団

スポーツ番組を見ていたら,「攻撃的ミッドフィルダー」なる役割のサッカー選手が出てきた.最近のミッドフィルダーには,そんなミッドフィルダーがいるみたいだ.ただのミッドフィルダーではなく,「攻撃的」という言葉が付くのは個人的な性格に因るものだと思う.きっと,サッカー界に押し寄せる没個性時代の波に対抗するための手段なのだろう.もちろん,「攻撃的ミッドフィルダー」以外にも色々なミッドフィルダーがいるはずだ.

ワールドカップ最終予選.試合終了間際に敵に逆転ゴールを決められ,まさかの予選敗退.ロッカールームで悔し涙を流すチームメイト.
しかし,そんな暗い雰囲気に包み込まれたロッカールームでも爽やかな発言が飛び出す.
「でも,この悔しいこともいつかはいい思い出だよね」
そんな彼は,「思い出は大切にしたい的ミッドフィルダー」だ.

「ああ,今日もサッカーだよ」
朝からサッカーのことを考えると憂鬱になる.
「何で,俺なんかを日本の代表選手に選ぶんだよ」
たまたまサッカーがうまかったからプロ選手になっただけの彼.本当はサッカーは好きじゃない.仕事だから仕方なしに渋々サッカーをしている.
自分に憧れるサッカー少年の前では「僕も小さい頃からサッカー選手になりたくてがんばったんだよ」と調子良く言っているが,本当はがんばったことなどないし,サッカー選手になりたくなかった.むしろ野球選手になりたかった.
そんな彼は,今日も嫌々仕事でボールを蹴る「本当は野球の方が好きだ的ミッドフィルダー」だ.

「栓抜きがなくて飲めないよ」
「缶切りがなくて缶詰が開けられないなあ」
「こんなときハサミがあると便利なのに」
そんな声に応えるのが「十徳ミッドフィルダー」だ.コンパクトにまとまり,行楽のお供に最適です.ちょっとしたカバンの隙間に滑り込ませれば,思わぬときに大活躍.
「あるといいな」がここにある.

朝,いつまでもベッドから起きない彼.そんな彼を起こす妻と幼い娘.
「あなた,今日,会社はどうしたの」
「パパー,会社はお休みなの」
彼が悲しげに答える.
「ごめん,昨日,会社,馘首になったんだ」
夫の突然の告白にショックを受ける妻,話が理解できずに不思議そうな顔をする娘.そんな妻と娘の姿に涙が溢れてくる「昨日まではミッドフィルダー」だ.

「いやー,ワシも若い頃はいろいろあってなあ」
近所では人のいいお爺ちゃんとしてみんなから慕われている彼.
「今でも,昔の伝手を頼って,若いのが頼ってくるがの.ワシは引退したから,断っとるんじゃ」
そんなお爺ちゃんは,「今ではただのミッドフィルダー」だ.

ミッドフィルダーは,「ただのミッドフィルダー」に始まり,「ただのミッドフィルダー」に終る.鮭が成長して生まれた川に戻ってくるのに似ている.

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March 25, 2008

とくべつメモリアル

一般的に「天然記念物」と呼ばれるものには,「特別天然記念物」と「天然記念物」がある.「特別天然記念物」は何を以って「特別」としているのだろう.「特別天然記念物」と「天然記念物」と違いは何だろう.「特別」と名乗るからには何か「天然記念物」と比べて,「特別」なことがあるのだと思う.

・年一回の特別手当が貰える
・医療費控除が受けられる
・デザートにゼリーが付く
・シールを集めるとフランス製の白い皿がもらえる
・セール価格で購入することができる
・三点盛りの刺身が五点盛りになる
・砂糖を舐めさせてもらえる
・肌触りが良い
・ちょっぴり装いが春らしい
・気分がウキウキしてくる
・憧れのあの人に告白できそうな気がする
・「神様,お願い.私に勇気を下さい」
・卒業式の日,彼の席の机の中にこっそり忍び込ませた手紙
・『放課後,校庭の木の下で待っています』
・木の下で待つ私,走りよる彼
・高鳴る心臓,思わず俯く私
・心を決めて彼に向かって言う
・「特別天然記念物」

天然記念物よりもワンランク上質なラグジュアリ.ちょっと特別な日は,ちょっぴり豪華に特別天然記念物.そして,好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰なのかしら.

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March 04, 2008

長井婦警タイへ

今さらではあるが,「おさいふ携帯」って当たり前だろうと思う.財布は携帯するものだし,携帯しない財布は貯金箱と同じだ.
と,携帯が携帯電話の略だということを知らないふりして書いてみたが,特に意味はない.いいたい事は,携帯電話以外にも財布機能がついたら便利なのにということだ.

みんなのミネラル源,ひじきとお財布の機能が一緒になったよ.
常々,財布と一緒に携帯できたらいいなあと思っていたひじき.技術の進歩によって夢がまた一つ現実に.これでお金を払いながらミネラル補給が可能になった.店員からお釣りを受け取って財布にしまうふりをしてミネラル補給したり,店員にお金を払うふりをしてミネラルを渡したり,お釣りを受け取るふりをしながら逆にミネラルを渡したりと自由自在.お金とミネラルの波状攻撃が店員を襲う.Money or Mineral,Mineral or Money,Dead or Alive,そして.Ladies or Gentlemen.
体に嬉しいこまめにミネラル.ミネラルたっぷり海からの贈り物,「おさいふひじき」.

「思い出すと,俺の思春期はいつも『金,金』だったなあ」
そう語るのは盛本守男(25歳)さん.彼は,お金に換算するといくらなのかを常に意識して思春期を過ごした.
同級生にもらったラブレター 500円
サッカー部の練習で流した汗 30円
育んだ友情 価値なし
お金にならないものもある.そんなものは廃棄処分.
盛本守男の「おさいふ思春期」だ.

今日は初めてのホームパーティー.自慢の料理で近所の奥さん達をおもてなしだ.
「あら,奥さん,これおいしいわねえ,どうやって作ったの」
「そんなあ,大したものじゃないのよ.リッツの上にお財布を載せただけなのよ」
平静を装いつつも,心の中ではガッツポーズ.リッツの上に財布を載せた「おさいふリッツ」が大好評.パリッ,サクッと財布とリッツの軽快な音が部屋に響く.
簡単,安上がり,美味しいの三重奏が有閑マダムを優しく包む.「できる主婦」,「賢い奥さん」,「ホームパーティークイーン」,「サンバイザーが似合う」と明日からの井戸端会議で称えられる自分を想像してすると笑みがこぼれる.

バレンタインデーに勇気を出して意中の男子にチョコレートを渡した女子高生,若林こずえ(16歳).しかし,残念ながら結果は玉砕.
「あーあ,あたし,ふられちゃったな」
夜空を見上げる目には涙が溢れる.
「うまくいくと思ったんだけどな」
彼女が自分の財布から取り出したの一枚の千円札.ふられてできた心の傷にねじ込む.「おさいふ心の傷」.転んでもただでは起きない乙女の心.千円札でえぐった心の傷の痛痒さだ.

「今こそ,我々の力を見せるときだ」
自らが先頭に立ち,民衆を扇動してバスティーユを襲撃するオサイ・フェン・コロモゴロフ.
1789年のこの襲撃を契機にフランス革命が始まる.そして,オサイ・フェン・コロモゴロフこそ,後に「おさいふ将軍」と呼ばれるその人である.

個人的な意見を書かせてもらうと,携帯電話に電子マネー機能は特に必要ないと思う.

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