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November 18, 2008

へんぜらないぐれーてない

グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」で出てくる「お菓子でできた家」.子供達にとって,夢のような家だと思う.ところで,大人にとってのお菓子の家って何だろう.大人のためのお菓子の家があってもいいと思う.

美味い物を日々求める食通が迷い込んだ森で見つけたのは,スッポンの家.
スッポンの家から漂う良い香りが,食通の鼻腔をくすぐる.食通は,唐揚げで出来た屋根をちぎって食べ,滴り落ちる血を日本酒で割って飲み,鍋に残った汁でおじやを作って食べる.森で出会った味覚の殿堂.
「店主よ,いい仕事をしたな」と言い残してスッポンの家を去る食通.無駄に精力溢れた食通の後姿だ.

最近頭頂部が寂しくなってきたお父さん達が迷い込んだ森で見つけたのは,毛が生えた家.
毛の生えたドアノブを回して家の中に入り,毛が生えた家を堪能する.戸棚を開けては「あれっ,こんなところにも毛が生えているのか」と驚きの声をあげ,蛇口を捻って出てくる髪の毛に嬉しい悲鳴をあげる.
もし,思春期の少年達が毛の生えた家にたどり着いたら,違うことに思いを馳せることだろう.

日々の生活にくたびれたサラリーマンが迷い込んだ森で見つけたのは,バドガールの家.
屋根から土台まで,一貫してバドガールで製造.
バドガールは微妙だなあという感情も吹き飛ぶ安らぎの家だ.

夜,寝ている間も安心できるかしらと不安に思う女子が,迷い込んだ森で見つけたのは,ギャザーの家.
ギャザーがしっかりキャッチして多い日も安心の家だ.

自分にとってのお菓子の家は,鶏の唐揚げの家か,ウィンナーの家だ.

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November 05, 2008

よさこいメカドック

私は高知県とは無縁の場所に住んでいるのだが,家の近所で「よさこい祭り」が行われたらしい.この祭りは毎年行われているらしいのだが,何故「よさこい祭り」なる名前の祭りが行われているのか分からない.私の知る限り,住んでいる場所は高知県とは関係ない.どうして高知とは関係ない場所で「よさこい祭り」が行われるのだろう.
いや,そもそもよさこい祭りというのは何の祭りなのだろう.よさこいというのは何なのだろう.

丸輪太郎さん(53歳)がよさこい祭りを見て思い出すのは,小さい頃飼っていた金魚のことだ.金魚掬いでとってきて「よさこい」と名付けて飼ったが,三日で死んでしまった金魚.金魚の葬式代わりに,庭に作った金魚のお墓の前で踊った創作ダンス.
その創作ダンスこそ,現在の「よさこい踊り」である.

よさこい祭りで,踊る若き女性達.
激しい踊りに着物の裾がちらりと捲れ上がる.裾からチラリと見えるのは,祭りの名物「よさこい」.中学生男子は必要以上に興奮し,踊る女性は顔をほんのり赤らめる.
やがて祭りは佳境を迎え,観客達の鼻から「よさこい」が噴き出す.
自分の「よさこい」と人の「よさこい」が交じり合って一つの「よさこい」となる.人は一人では生きていけないんだ.

10年以上,全く連絡を取っていなかった田舎の母から届いた一通の手紙.
便箋にきれいとはいえない字で一言だけしたためられている.
「よさこい」
母の愛は海よりも深し.

高知県の中学校でよくある男子と女子の会話.
「ねえ,ねえ,河北君って,もう,よさこいなんだって」
「うん,そうだけど,だれから聞いた」
「今日学校来る時にヨシコから聞いたんだけど…….聞いちゃ駄目だったかなあ」
「いや,いいんだけど.直接自分からよさこい生えてきたって言いたかったんだよなあ」
「あっ,そうだ.話変わるけど,今日,一緒に帰らない」
「いいよ.じゃあ,校門で待ってて」
思春期万歳.

寒い日に気の合う仲間が集まって,酒を飲みながらつつく「よさこい鍋」.汁に浸されて煮崩れかかったよさこいの香ばしさが食欲を煽る.
酒を飲み,よさこいを食べ,時に馬鹿な話,時に真面目に話をする.
俺とお前とよさこい.

人間は,よさくる人とよさこない人の二種類に分けられるという.自分はどちらかというとよさこない人だと思う.

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