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February 26, 2009

かわうそなぞう

「かわいそうなぞう」という児童向けの書籍がある.第二次世界大戦中に上野動物園で象を餓死させた話だ.確かに象はかわいそうだが,世の中を見るに,かわいそうなのは象だけではない.

「くそっ,人間共め」
人を見るたび,呟く虫.自分はゴミムシに憧れたつもりもないし,真似したつもりもない.勿論,人間を騙したつもりもない.勝手に騙されたのは人間の方だ.
その虫の名は「ゴミムシダマシ」.
「かわいそうなゴミムシダマシ」だ.

ガリレオ・ガリレイ.
幼い日から「ガリレオ・ガリレオ」と呼ばれたり,「ガリレイ・ガリレイ」と呼ばれたり「ガリレイ・ガリレオ」と呼ばれた天才「ガリレオ・ガリレイ」.紛らわしい名前を付けられたばかりに,ちょっとした苛めの対象だ.
最終的には,略して「ガリガリ君」と呼ばれた「かわいそうなガリレオ・ガリレイ」.
そして,アイスの「ガリガリ君」のパッケージに描かれた坊主頭のキャラクターのモデルはガリレオ・ガリレイであることは有名な話だ

朝の教室.
「今日,このクラスに転校生が来た.みんなに自己紹介をしてくれ」
クラス中の視線が転校生に注がれる.
「初めまして,山田忠雄です」
生徒達がその名前を聞いてざわつく.偶然にも教室に置かれた水槽で飼われている金魚に付けられていた名前は『山田忠雄』.
「かわいそうな山田忠雄」だ.

今日の給食は,パン.クラスの友達はおいしそうにそれを頬張る.
パンを手に取りしげしげと眺める米屋の息子,北村三郎(9歳).いつも一生懸命に米を売る父を思い浮かべると,涙が溢れてくる.「パンの野郎」,「こいつさえいなければ父ちゃんももっと楽が出来るのに」,そんな思いが湧き上がる.
「かわいそうな米屋の息子」だ.

「かわいそうなぞう」の内容を思い出してみるに,それほどかわいそうじゃなかったような気がしてきた.

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February 05, 2009

肉乗り手

仮面ライダーは仮面をかぶっていない.仮面ライダーは改造人間であり,仮面ライダーの人間離れした顔は「仮面」ではない.強いていうなら「肉」だ.従って,「仮面ライダー」ではなく「肉ライダー」だ.
そして,最近の仮面ライダーの中にはライドすらしていない者もいると聞く.
一体,君達は何なのだと問いたい.仮面ライダーと名乗りながら,仮面もかぶっていないし,ライドもしていない.君達が目指すものは何なのだ.
今となっては歴代の仮面ライダーに共通することといえば,目が複眼っぽくて,虫っぽいということくらいだろうか.
仮面でもライダーでもない彼らは,虫っぽさでアピールした方がよいのではないだろうか.

・樹液にたかる
・夜は光に集まる
・脱皮した後は暫く体が軟らかい
・冬は寒さで動きが鈍くなる
・石の裏や腐った木の中で密集して越冬する
・卵で増える
・ゴキブリホイホイにかかっていることがある
・鳥に襲われがち
・子供が爆竹を仕掛ける標的
・頭部がなくなっても暫く動いている

改造されたせいで普通の人よりも虫っぽくなった人,仮面ライダー.仮面でもライダーでもない正義のヒーロー.タイトルは「仮面ライダー」ではなく「虫っぽい人」とすればいいと思う.

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February 03, 2009

南極物語

唐突に思ったのだが,南極越冬隊は南極で何をしているんだろう.何も寒いところでわざわざ越冬しなくてもいいのにと思う.
それにしても,冬の間,昭和基地で何が行われているのだろう.

昭和基地では毎年冬になると日本から越冬隊がやって来て,基地内の集会所で一冬かけて話し合いが行われる.
「聞いた話によると,あっちは白い熊がいるらしいよ」
「嘘つくなよ.あっちも寒いって話だぞ.熊だって寒いの嫌だろう」
「いや,本当だって.名前は白熊らしいぞ」
「白い熊で白熊って,そのままじゃん,今お前が適当に考えたんだろ」
人々が南極に集まり,まだ見ぬ北極に思いを馳せる.
「あっちは,海に氷が浮いているだけで陸がないんだって」
という隊員の話に全員が驚き,悲鳴を上げる.
南極越冬隊は一冬かけて話し合った「北極とは何か」という問いに対する答えを持ち帰り成果とする.
北極は遠くにありて思ふもの そして悲しくうたふもの

南極越冬隊の隊員としてやって来たおばあちゃんは,東京に出て行った息子のために一冬かけて手袋を編む.
息子が東京の寒さに耐えられますように,コンクリートの冷たさに負けませんように,人々の冷たさにめげませんように.そして風邪をひきませんように.
願いを込めておばあちゃんは昭和基地で心を込めて編む.木枯らし吹いては寒かろうとせっせと編む.
そんな手袋は何故だか囲炉裏の匂いがする.

南極の冬といえば,ペンギン漁の最盛期だ.
とれたてのペンギンを手早く捌いて薄切りにした後,三日間南極の寒さに晒すとキクラゲが出来上がる.キクラゲはキノコと思われがちだが,ペンギンの肉であるというのは有名な話だ.
新鮮なペンギンから作ったキクラゲ程,コリコリとした歯ざわりが楽しめる.捕獲から加工までいかに短時間で終わらせるかが,キクラゲ作りの勝負となる.
南極の冬の味覚,キクラゲ.南極越冬隊の隊員たちの手作りの味だ.

夜中にクラスで好きな女子の話をしたり,風呂に入るときに毛が生えてるとか生えていないとかチェックしたり,お土産にちんすこうを買ってみたり.そういうのが越冬隊だと思う.

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