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October 29, 2009

山崎タコ

タコは危ないとき,自分の足を切り捨てて逃げることがるという.ということは,危ない目に会い続け,全ての足を切り捨てて頭の部分だけになったタコというのがいるのではないだろうか.次に危ない目に会ったら,もう切り捨てるものは残されていないタコだ.
きっとこの瞬間も,丸い頭の部分だけのタコが広い海のどこかを漂っているのだ.想像するだけで興奮してしまう.
外見はコミカルな姿だが,タコにとっては緊迫した状態だ.次に襲われたら後がない.恐らく,泳ぐ能力も低いだろう.岩の間に静かに挟まっているしかないのかもしれない.しかし,狭すぎる岩の隙間だと出られなくなってしまう.使える武器は,吐き出す墨だけだ.いつもは,逃げる時間を稼ぐための墨だが,墨を吐いたところで素早く逃げることはできない.残された武器も役に立つのだか立たないのだか分からない.
そんなタコは,新しい足が生えてくるまでの間,なんとか乗り切る方法はあるのだろうか.

海の中を漂う足なしのタコ.それに襲い掛かるサメ.そんな時タコはサメを真心のおもてなしで出迎える.
「おかえりなさい」
襲いかかるサメを美人女将こと足なしのタコが迎える.
「ここまで来るの大変だったでしょう.温泉の準備はできておりますよ.温まるから早く入っておいでなさい.その間にお部屋にお食事を準備するけん」
寒流で冷え切ったサメの体も心も温かくなる.サメはこうしてまた明日からがんばれるのだ.

足なしのタコに襲い掛かるサメ.そんなサメの頭を巨大な銛が貫く.
「大丈夫でしたか,足なしのタコさん」
銛を引き抜きながら漁師の磯吉が尋ねる.
「ああ,磯吉さん,毎回悪いねえ」
と足なしのタコは答える.
「怪我がなくてなによりです」
「磯吉さん,じゃあ,これが今回の報酬だ」
お金で護衛を雇い,身を守るタコ.今まで仲間をタコ焼き屋に売って得た儲けてきたので,お金には困らない.利用できるものは自分の足だけではなく,仲間でさえも利用する.売ったところで所詮はタコなので罪悪感はない.
しかし,数日後には磯吉に裏切られて金を強奪された挙句,酢ダコとして磯吉の家の食卓にのぼることになるのだが,このときの足なしのタコは思いもしないのだ.

「私たち,足なしのタコなんですがね,意外とみなさんの身近にいるものなんですよ」
元足なしのタコの北村一(仮名)さんはそう語る.
「私たちタコには,足がなくても擬態という武器がありますからねえ」
北村さんは誇らしく話を続ける.
「皆さん,岩かと思ったけど,よく見たら本当はタコだったりなんて経験は誰しもあると思います.しかし,みなさんが見ている物の8割はタコなんじゃないでしょうか.ビルかと思ったらタコだったり,窓辺に飾った花がタコだったり,味噌かと思ったらタコだったり,地震かと思ったらタコだったり,初恋かと思ったらタコだったり」
北村さんはそう言って笑う.

しっぽを切って逃げるトカゲ.そのトカゲの変種として,手や足を切って逃げることができる者が出てきて,やがて,手や足を全て失ったトカゲの中から蛇へと進化する者が出てくる.これが蛇への進化の過程であるというのは古生物学では有名な話だ.

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October 10, 2009

黄門様の昼下がり

水戸黄門で印籠を出して悪人に土下座させるのは変ではないのだろうか.何故,印籠を出すのだろう.
印籠は薬などを携帯するための入れ物だ.現代でいうならば,女子の人がトイレに携帯するポーチみたいな物だろう.男子の人には秘密のポーチだ.黄門様は,それを憎き悪人見せ,平伏させる.何だその羞恥プレイは.元福将軍の公開プレイなのか.平伏す悪人の中には,「ああ,なんて破廉恥な」と伏せた顔を赤らめる者がいたり,中身が見たくてウズウズしている思春期男子な人がいるのだと思う.そんな人達を見て黄門様の興奮は最高潮になるのだろう.
悪人達を暴力で懲らしめ,その後に権力で押さえつけて土下座させ,反抗できなくなったところで,自分の羞恥プレイを楽しむ.凄い老人だ.三つ葉葵の御紋を見せることは,黄門様の最大の娯楽だと思う.三つ葉葵の御開陳プレイのバリエーションは他にあるに違いない.

「このお方をどなたと心得る.前の福将軍,水戸光圀公にあらせられるぞ」
懲らしめた悪人を前に,格さん助さんはそう言いながら,黄門様のズボンをずるりと下ろし,黄門様が履いているブリーフのゴムをめくる.現れたのは,「みつくに」と書かれた名前と三つ葉葵の御紋.
黄門様は恥ずかしそうな顔をしつつも興奮は最高潮.

「このお方をどなたと心得る」
と悪代官に向かって言う格さん.そこへやって来たのは宅配便の配達人.悪代官はサインをしてダンボール箱を受け取り開ける.中に入っていたのは手紙と毛糸の手袋.
手紙には達筆とはいえない筆跡でしたためられた文章.
「そちらも寒くなってくる季節だと思い,毛糸で手袋を編みましたのでお送りします.都会の生活はつらくはありませんか.つらいと思ったらいつでも田舎に帰ってきてください.光圀」
手袋には編みこまれた三つ葉葵の御紋.悪代官は涙を流し故郷を思って平伏す.

「このお方をどなたと心得る……
と格さんは言いながら見回すも,辺りに黄門様は見当たらない.慌てる格さんと,それを見つめる悪代官.そこへ駆け込んで来た黄門様は,格さんを見つめる悪代官に激突.黄門様からハンカチがヒラリと落ちる.
「よそ見してないでよ.気をつけてよね」
と走り去る黄門様.
「お前こそ気をつけろ」
と後姿に声を上げる悪代官.悪代官がハンカチを拾い上げると,描かれているのは三つ葉葵の御紋.
悪代官はその日の教室で,転校生として紹介される黄門様と再会.ちょっとした男女のすれ違いのようなことがあったりなかったり,甘酸っぱいようなやりとりもあったりなかったりして最後には付き合うことになるのだが,それはまた別の話だ.

格さんが懐から秘密ポーチを取り出すときにチャックが開き,バラバラとポーチに詰まっていた秘密グッズが落ちる.恥ずかしそうに頬を赤らめて慌てて拾う黄門様.
それを蔑むように見下ろす格さん,助さん.平伏しつつも「あらあら」という顔で黄門様を見る悪人達.黄門様のドキドキは大爆発.
水戸黄門の最大のエロは,由美かおるの入浴シーンではなく,三つ葉葵を御開陳して恍惚としている黄門様だと思う.

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