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December 25, 2009

煮物

「○○と△△は似ている」という表現を使ってみたい.
例えば,「人生とワインは似ている」のような表現だ.この表現の後に言葉を付け加えて,「人生とワインは似ている.年月を経ることにより良いものは熟成されてゆく」と言えば,「ワインも人生も分かっているんだよ」という両方とも分かっているような雰囲気が醸し出せる気がする.言った自分が偉くなったような気がしてくると思う.
場面を弁えて使うと,一目おかれる存在になれると思う.
どのような場面で使えるだろうか.

ある会社の製品の開発会議.
不景気のあおりを受けて破産寸前.社長を含めた会社役員達も参加し,起死回生の一手の新製品を売り出そうと始めた会議は,揉めに揉めて20時間経過.
出口の見えない会議に社長は一言.
「人生と会議は似ているねえ.いつだって正しい結論があるわけじゃない」
社長の深い言葉に参加者は涙を流し,立ち上がって拍手する.書記が涙で視界を霞ませで議事録をとる.この会議の結論は「人生と会議は似ている」.
社長はこの一言で尊敬され,この会社は破産となることだろう.

クリスマスイブのおしゃれなレストランで,食事をする若いカップル.男は意を決して女性に言う.
「僕はずっと君のサンタクロースになれるかな」
「えっ」と理解できない表情をする女性.
「いや,そうじゃなくて,ソチャンマとサンタクロースは似てるんだ」
ますます混乱する女性.
「ソチャンマとサンタクロースは似てるんだ.両者とも人に幸せを運ぶんだよ.えーと,つまり,君のソチャンマになりたいんだ」
サプライズなプロポーズだ.男をうるんだ瞳で見つめる女性.
ソチャンマとは,アフリカの勇敢なる少数民族ンバホ族の伝説英雄だ.ンバホ族流のプロポーズに,ンバホ族伝統の喜びのダンスを舞いたくなる女性だ.

思春期の中学2年生女子.
寂しい夜は,ひとり窓から星を見ながら呟く.
「ゴミムシとゴミムシダマシは似ている」
彼女の目から涙が流れるのは何故だろう.

結婚を許して貰おうと,彼女の父親に挨拶に行った青年.彼女の家の居間で,テーブルを挟み,厳しい顔つきで正座した父親と向き合う.緊迫した場面だ.
「お嬢さんと結婚させてください」
と父親に頭を下げる青年.
「ところで,君の名前は上岡春人(かみおかはると)というそうだな」
「はい.そうです」
「タピオカとタルトつなげてタピオカタルトっていうと,君の名前にそっくりだと思わないかね」
「確かに似ていますが……」
「そんなふざけた名前の男に,可愛い娘を嫁にやるわけにはいかん」
「えっ」
「不愉快だ.帰ってくれたまえ」
ふすまを開けて部屋を出ていく父親.
「上岡春人」と「タピオカタルト」が似ていることに気がつかせてくれた彼女の父親の偉大さを感じずにはいられない上岡春人だ.

今日はクリスマス.クリスマスかクリスマセンかといわれたらクリスマセンというほかない.

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