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March 16, 2010

ブラ下がり健康法

どうでも良いことだが,子供の頃,伯父の家の物置で「ぶら下がり健康器」を見つけたことを思い出した.
当時は「ぶら下がり健康器」の名前すら分からなかったので伯父に聞いてみた.以下のような会話だったように記憶している
「伯父さん,これは何」
「『ぶら下がり健康器』だよ.ぶら下がることで健康になるんだ.ぶら下がり健康法ってやつだな.前に流行っていたんだよ」
いろいろな健康法があるが,「ぶら下がり健康法」は凄いと思う.両手でぶら下がり,地面に引っ張られて,健康まで引っ張り出されるとか,そういうあれか.
理屈はともかく,ぶら下がり健康法には何でも解決できそうな勢いがある.

「いやー,いくら頑張ってもできないから,もう諦めようかと思ったんですがね.信じられないことに,できたんですよ.ぶら下がり健康器のお陰です.妻も一緒に喜んでいます」
そう語るのは,中本保さん(38歳).以前から子供が欲しいと思っていた中本さん夫妻.保さんは「ぶら下がり健康器」のCMを見て,早速申し込んだという.
「正確には,妻が産んだのは,子供じゃなくて,卵なんですけどね.喜びは変わりませんよ」
「私から卵が生まれるなんて信じられませんでした.でも,友達から子供を産むのは大変だって聞いていたんですけど,卵だと楽に産めました.今も卵を温めているんですよ.お医者さんの話だと,来週には孵化するだろうって」
ぶら下がり健康器のお陰で卵を授かった中本さん夫妻.幸せの真っただ中だ.

「もう凄かったんですよ,ライオンがね,私のパンチで飛んで行ったんですよ.30mくらいかな」
そう語るのはアフリカの少数民族ンバホ族のソチャンマさん(13歳)だ.サバンナを散歩していたらライオンに遭遇.襲いかかってきたライオンをパンチで撃退したという.
「たまたまなんですけどね,狩りで近くを通りかかったンバホの戦士がそれを目撃しまして,村では私の噂で持ち切りです.長老には部族の英雄に推薦して頂けることにもなりました」
ソチャンマさんは満面の笑みを浮かべる.
「もちろん『ぶら下がり健康器』のことは部族のみんなには内緒です」
サバンナの灌木の茂みに隠されたぶら下がり健康器だ.

「面倒なことがある日の朝の目覚めが楽になりましたよ」
そう語るのは伊達忠宗さん.
「参勤交代の朝なんて,もう嫌で嫌でねえ.布団から出られないんですよ」
伊達正宗を父に持つ伊達忠宗さん,参勤交代が何より辛いと苦労してきたようだ.
「参勤交代の日の朝は,母から怒鳴られてねえ.『忠宗,遅刻するわよ.母さん,この前も先生から遅刻が多いって,江戸に呼び出されたんだからね.早く起きなさい』なんて.家老なんて『こんなバカ息子,あの世で正宗公になんてご報告すればいいのやら』って言うんですよ.失礼な人たちですよね」
しかし,伊達忠宗さんの顔は晴れやかだ.
「そんな私ですが,ぶら下がり健康器のお陰で,爽やかな目覚めを迎えることができて助かってます.もう,伊達のバカ息子なんて呼ばせません」

「今まで,臭い臭いとみんなから嫌がられていたんですが,臭くなくなりましたよ」
そう語るのはカメムシの山本源吉さん.
「私には,ピンチになった時に出てくる汁があって,それに悩んでいたんですよね.もちろん,私は出したくなかったんですけど,自然に出てくるんですよ」
臭い汁で悩んでいた山本さん.その悩みは解決したという.
「ぶら下がり健康器のCMを見て,これだと思いましたね.いや,汁が出なくなったわけじゃないんですがね.出てくる汁は臭くなくて爽やかな香りなんですよ.消臭デオドラント効果みたいなものですかね.そう,汁が乾いた後もサラサラなんですよ」
山本さんは顔を綻ばせる.
「偉い昆虫学者の先生が,私を新種として登録することになったんですよ.『スッキリカメムシ』って名前みたいです.臭くて悩んでいる友達がいるんですが,彼らにも薦めたいと思います」

数千年後,未来人は発掘された「ぶら下がらり健康器」を見たら,「古代人からの贈り物.伝説の健康器具.ぶら下がり健康器」のようないい加減なことを言って,ぶら下がり健康器ブームが起こると思う

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March 09, 2010

明日からガス

アスパラガスのガスは,どうでもいい存在なのだろうか.もちろん「アスパラガス」といえば通じるが,「ガス」をとった「アスパラ」でも通じる.「ガス」は,あってもなくてもいい部分なのか.アスパラの盲腸のようなものだろうか.
いや,ガスの部分はいらない部分じゃない.「ガス」は,いらない存在じゃない.いや,その前に「ガス」ってのは何なんだ.

昔,ドイツのある村に仲の良い幼馴染の男と女がいた.男の名前をアスパラ,女の名前をアンナといった.
ある日,その村は戦火に巻き込まれ,アンナは瀕死の重傷を負ってしまった.アスパラはアンナの元へ駆けつけた,アンナの最後の言葉を聞く.
「私,アスパラが,アスパラが好……」
と言って力尽きたアンナ.
意味が分からず「アスパラガス?」と呟くアスパラ.
アスパラはアンナの最後の言葉の意味が分からないまま,彼が栽培している作物に「アスパラガス」と名前を付け,いつまでも忘れないようにしたということだ.

農家の人が適当に育てたら「アスパラ」.農家の人が丁寧に育てたら「アスパラガス」.農家の人がバスのことを考えながら育てたら「アスパラバス」.バス好きの農家の人がバスのことを考えて育てたら「バスパラバス」.

昔,宋に狙公(そこう)といういう男がいた.彼は,飼っている猿に,与える餌について話をした.
「明日から,お前達のエサはアスパラだ.朝に三つ,暮れに四つやる」
すると猿は「何だそれは」と怒った.狙公は少し考え,再び言った.
「よし,それではこうしよう.明日から,お前達のエサはアスパラガスだ.朝に三つ,暮れに四つやる」
すると猿は,たいそう喜んだという.

昔,ドイツのある村に青年と母が,貧しい暮らしを送っていた.青年の名前はアスパラ,母の名前はガスといった.ガスは体が弱く,何年も病床に伏せっていた.
ある日,ガスはベッドにアスパラを呼んで言った.
「この種は,私の夫の形見です.何回か蒔いてみたけど,芽が出なかった.私はもう長くない.何とかこの種を育てて欲しい」
ガスは,アスパラに種を託したその数日後に死んでしまった.アスパラは,苦心の末,その植物の栽培に成功したという.
そして,その植物にシロツメクサと名前を付けたということだ.

「お前って,アスパラガスのガスの部分だよなあ」というセリフを思い付いたが,どう使えばいいのか分からない

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