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February 04, 2011

負けたい試合

特にサッカーの日本代表チームの試合で言われると思うが,「負けられない試合」や「落とせない試合」がというのは何なんだろう.試合なのだから,勝たなければならないのは当たり前だ.
もしかしたら,自分が知らないだけで,「負けてもいい試合」や「落としてもいい試合」というのがあるのではないのだろうか.安心して負けられる試合があるからこそ「負けられない試合」があるし「落とせない試合」があるのだろう.

観客がスタジアムに詰めかけ,日本代表の試合が始まる.中継のアナウンサーと解説者も準備万端だ.
「間もなく試合開始です.さて,日本代表,本日はどう戦いますか.解説のセドリック越前さん」
「今日の試合は,尻風船ですよ.目が離せませんね」
「えっ,サッカーはどうしたんですか」
「サッカーは中止になりました.主審のカルロスさんが肉離れを起こしたみたいです.代わりに尻風船になりました」
「尻風船というのは何ですか」
「ヘリウムガスを入れた風船に糸を付けてですね」
「糸を付けてどうするんですか」
「その糸を尻に挟みます.誰でも尻割れてますよね.あなたの尻は割れてますか」
「割れてます」
「風船の糸を尻に挟んだまま100メートル走ります」
「はあ」
「速い方が勝ちです.風船が尻から飛んで行ってしまったら失格です」
風船を飛ばさないように尻を締めて内股気味に走る日本代表.負けてもいい試合がここにある.

観客がスタジアムに詰めかけ,日本代表の試合が始まる.中継のアナウンサーと解説者も準備万端だ.
「間もなくホイッスルです.さて,日本代表,本日はどう戦いますか.解説のセドリック越前さん」
「今日の試合は,そのままズボン腰捻りですよ.目が離せませんね」
「えっ,サッカーはどうしたんですか」
「サッカーは中止になりました.審判全員で茶話会をするそうです.代わりに,そのままズボン腰捻りになりました」
「いや,でも,そのままズボン腰捻りって何ですか」
「選手達は,パンツを穿かないでそのままズボンを穿いてですね」
「はい,そのままズボンを穿いてどうするんですか」
「腰を激しく,素早く何度も捻ります」
「はあ」
「パンツを穿かないでズボンを穿くと新鮮な気持ちになりませんか.何かこう,解放感のようなものがあって爽快感が得られるみたいな」
「否定はしませんが」
「その爽快感を選手一丸となって味わうわけですよ.選手は気持ちがいいに決まってますよ.より爽快感を楽しんだチームの勝ちです」
「そうですか」
「私が若い頃も良くやったものです.それが忘れられなくて,ほら,私,パンツ穿いていませんよ」
「私もパンツを穿いていません」
そのままズボンの二人も腰捻り.確実に負けてもいい試合だ.

観客がスタジアムに詰めかけ,日本代表の試合が始まる.中継のアナウンサーと解説者も準備万端だ.
「いよいよ始まります.さて,日本代表,本日はどう戦いますか.解説のセドリック越前さん」
「今日の試合は,ナメクジ引きですよ.目が離せませんね」
「えっ,サッカーはどうしたんですか」
「サッカーは中止になりました.審判は結構疲れたので休むそうです.代わりにナメクジ引きになりました」
「いや,でも,そのナメクジ引きって何ですか」
「生きているナメクジを引っ張ってですね」
「はい,引っ張ってどうするんですか」
「長いナメクジにするんです」
「ええっ」
「あっ,勿論ナメクジを殺しちゃだめですよ.引っ張ったナメクジが切れちゃいけません.お子さんの教育にも悪いです」
「はあ」
「生きている長いナメクジを作るんですよ.専門的には,長ナメクジなんて言われてるんですけど,御存じないですか」
「それはいいですが,勝敗はどうやって決めるんですか」
「長い方が勝ち.短い方が負け.シンプルでいいでしょう.時間は前半45分,ハーフタイムを挟んで後半45分.時間を掛けてゆっくりナメクジを伸ばしましょう.ハーフタイムの間はナメクジを伸ばせないので,ハーフタイムの間にナメクジは元の長さに戻ってしまうかもしれませんよ.ドキドキしますね.無理なくゆっくり,これが基本です」
逆に負けたい試合がここにある.

なんでも解説できるセドリック越前の博識ぶりだ.

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