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March 08, 2011

馬糖黍

今まで「馬頭琴」という楽器を見たことがない.
小学生の時に国語の教科書で読んだ「スーホと白い馬」に出てきた楽器なのだが,残念ながら今まで見る機会がない.小学校を卒業してから結構長い時間が経ったのだが.
しかし,何故か馬頭琴という名前だけは憶えている.最近では,馬頭琴が実在することを疑問に思い始めている.馬頭琴はどこにあるのだろうか.

モンゴルの草原で,野生の馬頭琴の群れが草原を走る.遊牧民のスーホさんは,馬頭琴の群れを見ながら語る.
「昔はね,どこでも馬頭琴の群れは見られたもんだよ.今じゃ見なくなったよね.馬頭琴の群れが見られるのはこの辺りだけだよ」
環境破壊の影響か,乱獲の影響か,モンゴルでも珍しい動物になってしまった馬頭琴.ジンギスカンは馬頭琴に跨り戦場を駆けたと言われている.
モンゴルの草原だけに生息する5本足で走る珍獣馬頭琴.ムヒョムヒョと鳴く見るだけで不快な動物だ.

沖縄の小さな島に住む島袋スーホさんは,馬頭琴の栽培をして50年だ.
馬頭琴から採れる砂糖は,サトウキビから採れる砂糖よりも優しい甘さといわれている.いや,よく味わうと微かに甘い程度の砂糖.むしろ,殆どの人は甘さを感じないというべきか.正確には,味のない砂糖といった方が的確であろう.
昔はバトウキビと呼ばれていたが,いつの頃からか馬頭琴と呼ばれるようになったという.
島袋スーホさんはさびしそうに語る.
「昔は馬頭琴を栽培していた家は多かった.今は一人だけになってしもうた.ワシはもう,この辺りじゃ馬頭琴の甘さのような存在なのかのう」

昔,ギリシャのイカロスは蝋で固めた馬頭琴を片手に塔の上から飛び降りた.
勇気一つを共にして.

「さて,みんな集合だ.彼は今日から捜査1課に配属になった滝沢馬頭琴君だ」
警視庁捜査1課に今日から新しい仲間が配属になった.捜査員一同は期待を込めた目で見つめる.
「おはようございます.滝沢馬頭琴です.本日付で皆さんとお仕事させて頂きます.よろしくお願いします」
「よし,今日から早速働いてもらうぞ.よし,あだ名はスーホにしよう.皆,スーホと呼んでやれ.スーホ刑事を頼んだぞ」
滝沢馬頭琴,通称スーホ.後に数々の難事件を解決し,「スーホの白いデカ」として犯罪者から恐れられるが,これはまた別な話だ.

セレブが集まるオシャレなパーティー会場.
セレブ達がワイングラスを片手につまんでいるのが馬頭琴の載ったリッツだ.馬頭琴オンザリッツ.
馬頭琴の酸味がリッツに合い,ワインに合う.ポリポリと馬頭琴を噛む音が,軽快にパーティー会場に響く.セレブ達の笑顔の下に馬頭琴だ.

滝沢馬頭琴.そんな名前の友達が小学生の時にいたような気がする.

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